インプラント治療中の歯がない期間の対応法・気を付けるポイントをご紹介
インプラント治療は、失われた歯を取り戻すための魅力的な治療法ですが、治療期間中は歯がない期間が訪れます。この期間は、見た目や食事に不便を感じ、モチベーションが低下してしまう方もいるかもしれません。
本記事では、歯がない期間を快適に過ごすための具体的な対処法や、治療中の注意点についてご紹介します。
-歯がない期間の対応法-
- インプラント体(人工歯根)を利用して仮歯をつくる
- 隣の歯を使って仮歯をつくる
- 仮の入れ歯を装着する
-歯がない機関に気を付けるポイント-
- 仮歯に強い力をかけない
- 食事の際に硬いものは控える
- 仮歯の周囲に汚れを溜めない、セルフケアで清潔に保つ
- 歯にくっつきやすいものを食べない
- 定期的に歯科医院を受診する
インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしていただき、安心して治療を進めてください。
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、失った歯を補うための選択肢の一つとして注目されています。この治療は複数のステップを経て行われ、時間を要することが多いですが、適切に行われれば、高い耐久性と自然な見た目を実現できます。
まずは、歯がない期間を知る前に、全体の流れを理解しておきましょう。インプラント治療の一般的な流れと各ステップにおける特徴について具体的に説明していきます。
カウンセリング
カウンセリングは、インプラント治療の最初のステップとして重要な役割を果たしています。
患者様と歯科医師との間で治療の目的や不安、疑問を共有し、治療方針を明確にするとともに、過去の病歴や現在の健康状態、口腔内の状況を詳しく把握するのが一般的です。
質問や不安をカウンセリング時にしっかり伝えることがその後の治療の進行を大きく左右します。疑問を解消し、安心して次のステップに進みましょう。
診察・検査・治療計画
カウンセリングが終わったら、実際の診察や検査を行います。ここでは、レントゲンやCT撮影を用いて口腔内の状態や顎の骨の量、密度を詳しく確認。検査結果に基づき、具体的な治療計画を歯科医師が立案します。
患者様ごとの健康状態や希望を考慮に入れ、手術の方法や必要な器具の選定、費用の見積もりなどを行います。
治療計画はインプラント治療の成功に直結する重要な要素で、きちんと理解し同意の上、治療を進めなければなりません。この時にもカウンセリングと同様、疑問や不安があれば遠慮なく伝えましょう。
1次手術(インプラント埋入)
1次手術では、顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込む処置が行われます。インプラント手術には、1回法と2回法があり、それぞれの方法は患者様の口腔内状態や顎骨の状況に応じて選択されるのが基本です。
1回法は手術回数が少ないことで患者様の負担を軽減しますが、口腔内の条件が良好でないと選択できません。
一方、2回法は一般的に用いられており、インプラント体が骨と結合するまでの間、しっかりと覆われるため、感染のリスクを低減します。
抜糸・仮歯調整
手術後、歯茎を縫合した部分を2週間程度で抜糸です。抜糸時には必要に応じて仮歯の調整も行い、日常生活において食事や会話に支障が出ないようにします。
仮歯は治療期間中に元の歯の機能を補い、見た目の問題を軽減する役割を果たします。
待機期間
インプラント手術の後、顎の骨とインプラント体がしっかりと結合するまでの待機期間が必要であり、この期間は約2〜6ヶ月。その間は仮歯を使用することが一般的です。
この間、患者様は通常の生活を続けることができますが、医療機関によっては経過観察が行われることもあります。
2次手術(アバットメントの取り付け)
待機期間後、顎の骨とインプラントが無事に結合したら2次手術を行います。この手術ではインプラント体と人工歯を連結するためのアバットメントを装着します。
再び歯茎を切開し、アバットメントを装着。この段階ではインプラントが十分に骨と結合しているため、手術の負担は1次手術に比べて少なくなります。この後、歯肉が回復するまでしばらく待機します。
人工歯(被せ物)の型取り・装着
次に、アバットメントに対応する人工歯の型取りを行い、最適な被せ物を作製するステップです。被せ物は審美性と機能性を兼ね備えており、患者様の天然歯に見た目も馴染むように色や形を調整します。
被せ物が完成し、装着したらインプラント治療は完了。この段階を経て、患者様は新しい歯を手に入れ、日常生活を快適に過ごせるようになります。
定期的なメンテナンス
インプラント装着後も定期的なメンテナンスが必要です。インプラント周囲炎や噛み合わせの不具合が発生しないよう、状態をチェックします。
3〜6ヶ月に一度のペースでの検診が推奨されており、これによりインプラントの耐久性と快適性を長く維持することが可能です。きちんとしたケアを続けることで、インプラントは長期間安定し、生活の質も向上させられます。
※なお、歯がない期間は、【1次手術(インプラント埋入)~最終的な人工歯を装着するまで】の2~6ヶ月となります。ただ、その2~6ヶ月の間は仮歯を装着するため、歯が何もない状態で過ごしていただくようなことは基本的にありません。
インプラント治療中は「歯がない期間」がある
インプラント治療では、人工歯根であるインプラント体を顎の骨に埋め込む手術が行われます。そのため、インプラント体と顎の骨が結合し、安定するのを待つための待期期間が必要であり、それに伴って一時的に歯がない期間が生じます。
通常、この「歯がない期間」は2〜6ヶ月程度。ただし、患者様の顎の骨の状態や治療の進行状況によって異なることがあります。なお、完全に歯がない状態で過ごすわけではなく、仮歯を装着することで見た目や機能を補うことが可能です。
歯がない期間の目安
インプラント治療における歯がない期間は、前述した通り一般的には2~6ヶ月の間とされています。この期間は、手術後にインプラント体が顎の骨にしっかりと結合するために必要な時間です。
なお、歯がない期間は見た目や機能性の面で心配に感じている方もいるかもしれませんが、仮歯を装着するためご安心ください。
また、顎の骨が丈夫で厚みがある場合は比較的短期間で済むことがありますが、逆に骨が薄い場合や骨造成が必要なケースでは期間が延びることもあります。
さらに、患者様一人ひとりの治療進行や体調により、目安の期間が異なることがあります。そのため、具体的な期間については歯科医とよく相談し、詳細を確認しておきましょう。
歯がない期間が生じる理由
インプラント治療中に歯がない期間が生じる主な理由は、インプラント体と顎の骨が結合するための時間を必要とすることです。特に、チタン製のインプラント体が骨に結合し、安定するまでのプロセスには一定の期間がかかります。
また、インプラント手術後には歯肉の治癒を待つ時間も必要です。このように複数の手術や治療ステップを必要とすることから、治療段階ごとに歯がない期間が発生します。
しかし、これらは患者様の最終的な口腔機能と審美性を確保するための重要なステップであり、一時的なものに過ぎません。
インプラント治療中の歯がない期間の対応法
歯がない期間中は、見た目や噛む機能を補うために仮歯や仮の入れ歯などの一時的な対応法が用いられます。
以下に代表的な対応方法について説明します。
インプラント体(人工歯根)を利用して仮歯をつくる
フィクスチャー(人工歯根)を利用して仮歯を取り付けるのは非常に一般的です。この方法では、インプラント手術後、抜糸と同時に仮歯を装着することが可能です。
当然、仮歯を固定するためのフィクスチャーはあらかじめしっかりと埋め込まれていなければなりません。仮歯は、見た目を補うだけでなく、傷口を保護し、発音を助ける役割も果たします。
しかし、インプラント体に直接負担がかかるため、慎重な管理が必要不可欠です。
隣の歯を使って仮歯をつくる
隣の健康な歯を利用して仮歯を装着する方法もあります。この方法では、隣の歯に接着剤で仮歯を固定し、インプラント体への負荷を最小限に抑えることができます。
この手法は、見た目や噛む機能を補うことができますが、接着剤を使用しているため、仮歯が外れやすいという点では不便があるかもしれません。
また、隣の歯に過度な負担がかかる場合があるため、慎重な取り扱いが必要です。このため、特に長期間にわたる場合は、歯科医師と十分に相談して進めていくことが大切です。
仮の入れ歯を装着する
複数の歯を同時に治療する場合や、全体の口腔バランスを保つ必要がある場合には、仮の入れ歯を使用する場合があります。
仮の入れ歯は、通常の入れ歯と異なり一時的なものであり、装着感や見た目に劣ることがあるというデメリットもありますが、歯がない期間中の機能補助として有効です。
また、噛み合わせのバランスを保つために用いられることも。特に治療初期段階では重宝されます。仮の入れ歯を装着することで、患者は日常生活での不便を軽減し、治療中の精神的な負担を和らげることができます。
歯がない期間に仮歯や入れ歯で対応すべき理由
歯がない期間に仮歯や入れ歯を使用することは、審美的観点、健康的な歯並びの維持、そして治療の快適さを向上させるために非常に重要です。
ここでは、歯がない期間に仮歯や入れ歯を使用する具体的な理由について詳しく解説していきます。
審美性を高めるため
仮歯や入れ歯を使用する最大の利点のひとつは、見た目の改善です。特に前歯が欠けている場合、その見た目の変化は非常に大きく、日常生活やコミュニケーションに影響を与えます。
仮歯があれば、笑顔や会話の際に歯がないことが気にならなくなり、社会的な場面でも自信を持って過ごせるようになるため、治療中であることを周囲の人に気付かれることもないでしょう。
歯並びや噛み合わせを維持するため
歯がない状態が続くと、隣接する歯が空いたスペースに向かって移動することがあり、歯並びや噛み合わせが崩れてしまう可能性があります。仮歯や入れ歯を使用することで、このような歯の移動を防ぎ、正しい歯並びと噛み合わせを保つことができるのです。
これにより、その後の治療がスムーズに進むだけでなく、周囲の健康な歯への過度な負担を避けることができるでしょう。
傷口を保護し、痛みを軽減するため
インプラント治療後の歯茎は非常にデリケートで、外部からの刺激に敏感な状態です。そこで仮歯や入れ歯を使用することで、術後の傷口を保護し、食べ物や日常の動作による刺激を和らげることができます。
傷口の治癒が促進され、痛みや不快感を軽減することが可能になりますし、傷口がしっかりと保護されることで、炎症などの合併症のリスクも軽減できるでしょう。このように、仮歯や入れ歯の使用は、治療の快適さと安全性を高める重要な役割を果たします。
発音への影響をなくすため
歯がない状態(特に前歯がない場合)は、発音に支障をきたすことがあり、空気の流れや舌の動きが変わり、サ行やタ行といった音が正しく発音できないことがあります。話すことがストレスになり、コミュニケーションが困難になる原因にもなるでしょう。
そこで仮歯や入れ歯を使用することで、このような発音の問題を解消し、スムーズな会話が可能になります。さらに、発音が改善されると、仕事や日常のコミュニケーションがより快適になり、ストレスを減少させることができるでしょう。
インプラント治療の歯がない期間に気をつけるポイント
インプラント治療中に使用する仮歯は、歯がない期間の機能性や審美面を補ってくれますが、一時的に使用する仮の歯であることに変わりはないため、いくつか気を付けておきたいポイントがあります。
下記にて注意点をお伝えするので、快適に過ごすために知っておきましょう。
仮歯に強い力をかけない
先ほどもお伝えしたように、仮歯はあくまでも歯がない期間を補うための一時的なものであるため、歯科用のプラスチック材料で作られているものがほとんどです。
そのため、普段通り硬いものを噛んだり、あえて強い力をかけてしまうと割れたり、欠けたりする可能性が高くなります。
また、歯がない期間は、インプラントと顎の骨を結合させる重要な待期期間です。そこへ力が加わると、結合がうまくいかなくなる可能性も考えられます。たとえ仮歯が入ったとしても強い力をかけないよう気を付けましょう。
食事の際に硬いものは控える
強い力をかけないということと同様に、食事の際に硬いものを噛むことも、インプラントや仮歯を脱落、破損させる原因の一つです。
そのため、せんべいや硬いお肉、するめ、ナッツ類などの硬い食べ物は避け、スープやヨーグルト、おかゆ、豆腐など柔らかめの食事を摂るようにしましょう。
仮歯の周囲に汚れを溜めない、セルフケアで清潔に保つ
仮歯は歯科用のプラスチックで作られているものがほとんどで汚れが付着しやすく、歯ブラシを強く当てないようにする必要があるため、磨けていないケースが多くあります。
仮歯の周囲に汚れが溜まってしまうと、インプラントの周囲に炎症が起きるだけではなく、口腔内の環境が悪くなってしまうため、感染症を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
口腔内の環境を清潔に保つためにも、特に仮歯の周囲は力加減を意識しながら丁寧に歯磨きを行うようにしましょう。フロスや洗口液などプラスケアを取り入れるのもおすすめです。
歯にくっつきやすいものを食べない
仮歯は取り外し可能なセメントで接着しているため、歯にくっつきやすいものを食べることですぐに外れてしまいます。
特にキャラメルやガムといった粘着性の高い食品はその対象となります。このような食べ物は、インプラント治療が終了し、上部構造が確実に装着されるまで控えるようにしましょう。
定期的に歯科医院を受診する
インプラント治療の成功には、定期的な歯科医院でのチェックが欠かせません。治療の過程で歯科医師による経過確認はもちろん、仮歯やインプラントの状態を適切に管理し、必要に応じて調整をしてもらいましょう。
また、ご自宅での歯磨きでは取り除くことのできない汚れをプロの手によって落としてもらうことで、清潔な状態を保つことができます。セルフケアと併せて定期的な歯科医院でのメンテナンスを行いましょう。
インプラント 歯がない期間に関するよくある質問
最後に「インプラント 歯がない期間」に関するよくある質問についてお答えします。
奥歯のインプラントで歯がない期間はどのくらいですか?
奥歯のインプラント治療中に、歯がない期間は約2~6ヶ月です。ただ、通常この期間中は仮歯や入れ歯を使用することが一般的。これにより噛む機能をある程度維持することが可能です。
仮歯や入れ歯は本物の歯ほどの強度はありませんが、柔らかいものを中心に食事を楽しむことができるでしょう。硬い食べ物は避けるのが無難ですが、食事の際も噛む力をほどほどにすることで、仮歯を大切に使うことができます。
インプラントの仮歯はいつまで入れますか?
治療の進行は個人差がありますが、一般的に仮歯は2〜6ヶ月の間、仮歯の状態で過ごしていただくことになり、この期間はインプラントが骨としっかりと結合するのを待つ期間に相当します。
インプラントと骨の結合が確認でき次第、最終的な人工歯を装着する準備に取り掛かります。最終的な人工歯には劣りますが、仮歯でも日常生活を変わりなく送ることができるためご安心ください。
歯がない期間中に痛みはありますか?
インプラント治療後の初期段階では、手術部位に痛みや腫れを感じることがありますが、これらの症状は通常数日以内に治まります。
また、仮歯や入れ歯を装着している期間には、通常それ自体が痛みを引き起こすことはあまりありません。
ただし、仮歯が合わない場合には不快感を感じることもあり得ます。そのような場合は早めに歯科医師に相談して、適切に調整してもらいましょう。適切なケアで快適に過ごすことが可能です。
インプラントで歯がない期間に食事制限はありますか?
インプラント手術直後は傷口を刺激しないようにするため、柔らかい食事を心がけましょう。具体的には流動食やペースト状の食品がおすすめです。
徐々に慣れてきたら柔らかい固形物を食べ始めて構いませんが、硬いものや粘りのあるものは引き続き避けた方が無難です。自分自身のペースで、徐々に通常の食事に戻していくと良いでしょう。
前歯のインプラント治療の際、仮歯は目立ちますか?
仮歯を使用することで審美性を維持しつつ、発音への影響も最小限に抑えることができます。通常の歯と比較しても、仮歯は目立ちにくいように作られています。
ただし、前歯は特に目立つ位置にあるため、過度な力をかけないように配慮が必要です。
歯がない期間も仮歯で不便なし!インプラント治療は高田歯科クリニックへ!
インプラント治療は失った歯を補うための優れた治療法の一つですが、一方で治療期間が長く、歯がない期間があることに不安を抱いている方も多くいらっしゃいます。
しかし、インプラント治療中の歯がない期間には仮歯を装着することがほとんどで、最終的な人工歯と比べると劣ってしまう部分や気を付けるべきポイントはあるものの、正しく使用すれば日常生活を快適に過ごすことができます。
インプラント治療をご検討中の方、歯がない期間に対して不安を感じていらっしゃる方は、ぜひ一度「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」へご相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2024年12月2日