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部分入れ歯とインプラントはどっちがいい?費用やメリット・デメリットを比較

失った歯の部分を補うため、部分入れ歯にするか、インプラントにするか、どれが自分にとって最適な方法なのか迷うという方も多いのではないかと思います。

本記事では部分入れ歯とインプラントそれぞれのメリットやデメリット、費用などを比較しながら解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

-部分入れ歯とインプラントの比較-
部分入れ歯 インプラント
治療法 義歯床(歯茎に模したもの)、バネが組み合わさった取り外し可能な人工歯(義歯)を作製。

その義歯を歯を失った部分に装着する方法。

外科手術が必要。歯を失った箇所の顎の骨にインプラント体を埋め込む治療。

インプラントと骨の結合を待った後、人工歯を装着。

メリット
  • 取り外し可能でお手入れしやすい
  • 保険適用のため費用が安い
  • 外科手術が必要なく、身体への負担軽減
  • 治療期間・回数が少ない
  • 天然歯のような噛み心地
  • 審美性に優れている
  • 周りの歯を傷つけない
  • 顎の骨の吸収を防げる
デメリット
  • 周りの歯にバネがかかり、見た目が目立つ
  • 取り外しやお手入れが面倒
  • 装着時の違和感、不快感がある
  • インプラント歯周炎にかかる可能性がある
  • 自費診療のため、費用が高額
  • 治療期間・回数がかかる
費用 1本あたり、3,000~5,000円(保険適用) 1本あたり、約35~40万円
治療後のケア
  • 定期的なメンテナンス
  • 義歯用ブラシや専用の洗浄剤を使用しての洗浄
  • 定期的なメンテナンス必須
  • フロスや歯間ブラシなどの活用
寿命 入れ歯の材質によっても異なるが、約3~5年程度が目安 日頃のセルフケアや定期メンテナンスをしっかり行っておけば、約10~20年

歯を失ったときの主な治療法

歯を失ったときの主な治療法として挙げられるのが、「部分入れ歯」や「インプラント」、「ブリッジ」です。それぞれどのような治療なのか詳しく説明していきます。

部分入れ歯

部分入れ歯とは、歯がなくなった部分に人工の歯を入れる義歯のことを言います。

保険適用の入れ歯であれば、「費用を抑えられる」、「取り外しが可能でお手入れしやすい」、「治療期間が短い」といった点がメリットです。ただ、周りの歯に金属のバネをかけて装着するため、健康な歯に負担がかかったり、見た目が目立ちやすくなったりします。

また、噛む力が天然歯よりも劣ってしまうことや装着することでの違和感があることから、ストレスを感じてしまう方もいるのが現状です。

インプラント

インプラントは顎の骨にインプラント体を埋め込み、その上から人工歯を装着する外科手術を伴う治療です。

保険適用外の治療でもあるため、費用面の負担が大きくなりますが、隣の歯を傷つけることなく、機能性や安定性、審美性に優れているという点がほかより優れた大きなメリットです。

ブリッジ治療

ブリッジとは、失った歯の隣り合った歯を土台として使用し、連結した被せ物を装着する治療法です。ブリッジは保険適用のものもあるため、自費診療のインプラントより安く済みます。

しかし、「隣り合った健康な歯を削らないといけない」、「清掃が難しく、歯周病や虫歯のリスクが高い」、「土台となる歯の負担が増える」といったデメリットも多く挙げられます。

部分入れ歯とインプラントのメリット・デメリット

歯を失ってしまったとき、どちらの方が自分にとって最適なのか迷うことがあるかもしれません。

ここからは、よく比較される「部分入れ歯」と「インプラント」に絞って、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

部分入れ歯のメリット・デメリット

はじめに、部分入れ歯のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

部分入れ歯は、保険適用のため安く治療を受けることができます。加えて、手術などの必要がなく治療期間も短いため、患者様へのあらゆる負担が少なくて済みます。

また、取り外し式のため、バネがかかる隣の歯なども含めお手入れがしやすく、口腔内の衛生面を綺麗に保つことができるのもメリットです。

デメリット

保険適用の部分入れ歯に関しては、隣の歯にバネがかかることでどうしても見た目が悪くなりがちです。

また、噛む力が天然歯に比べて40%以下と言われているため、硬い物が食べづらかったり、噛んだ衝撃で破損する可能性があったりと、日常生活でストレスに感じることもあるでしょう。

インプラントのメリット・デメリット

次に、インプラントのメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

インプラントは、健康な歯を傷つけることなく、失った歯の部分だけを補うことができます。見た目も噛み心地も天然歯とほとんど変わりがなく、食事や会話、人と接することなど、ストレスのない日々をお過ごしいただけることでしょう。

また、インプラントはインプラント体と顎の骨を結合させる治療法のため、常に顎の骨に刺激が加わることで、骨の吸収を防ぐことが可能です。そのため、長期的に見ても若々しく美しい口元を保つことができます。

デメリット

インプラントは外科手術が必要なため、感染症や痛み、腫れなどのリスクがあり、入れ歯に比べると身体への負担が大きくなります。

また、インプラントと顎の骨の結合を待つ必要があることで、部分入れ歯に比べて治療期間が長くなるのが特徴です。さらには保険適用外の治療のため、費用も高額となります。

部分入れ歯とインプラントにかかる費用

部分入れ歯かインプラントかで検討するうえで、費用はとても大切な判断材料のひとつになるでしょう。

ここではそれぞれどのくらいの費用がかかるのか、比較するとどれくらいの差があるのかをご紹介いたします。

部分入れ歯の場合

部分入れ歯には、保険適用のものと自費診療のものがあり、患者様のご希望によってどちらか選択できます。

【保険適用】の場合の部分入れ歯の費用目安

保険適用の部分入れ歯は、医療用のプラスチックで作製されており、バネの部分は金属でできているのが特徴です。費用が安価で済み、【5,000円〜15,000円前後】が費用相場です。

なお、補う歯の本数によって費用が異なるため、入れ歯をつくる際は事前に確認しましょう。

【自費診療】の場合の部分入れ歯の費用目安

自費診療の部分入れ歯には様々な種類があり、それぞれ特徴や金額が異なりますが、【15万~80万円前後】が相場です。

種類にもよりますが、自費の部分入れ歯は噛み心地や装着感などの機能性や審美性、耐久性に優れています。また、作製には専門的な技術や知識が必要で、さらには保険適用のものとは違う素材を用いるため、その分費用が高くなります。

自身にどの種類が適しているのか、費用も含めて歯科医院と相談したうえで決めるのがよいでしょう。

そのほかの費用(調整費用など)

部分入れ歯を作製後、実際に使用し始めると痛みが出たり、噛み合わせに不具合が起きたりして、調整が必要な場合があります。その際にかかる調整費用は、一般的に【数百円~数千円程度】が目安です。

なお、使っているうちに劣化が進んだり、破損してしまった場合は作り替えが必要となります。

インプラントの場合

インプラントは保険適用外の治療のため、治療費は完全自己負担となります。早速費用を見ていきましょう。

インプラント1本あたりの治療にかかる費用

インプラント治療の費用の中には、検査・診断料、手術代、仮歯代、被せ物代などの様々な費用が含まれており、インプラント1本あたり【35~40万円程度】が費用相場です。

なお、インプラント治療を受けるには、骨の量が十分でないといけません。もし顎の骨が少ない方や薄く足りない場合は、「骨造成」という骨を増やす治療が追加で必要になる場合があり、その際は別途費用がかかります。

そのほかの費用(メンテナンス費用など)

インプラント治療は自費診療となるため、メンテナンスも自費診療となるところがほとんどです。そのため、歯科医院によっても異なりますが、メンテナンスは1回あたり【3,000円~10,000円】程度が目安となります。

インプラントのメンテナンスでは、歯のクリーニングはもちろん、噛み合わせチェックやレントゲン撮影などを行います。インプラントを長持ちさせるためには、日頃のセルフケアと定期的なメンテナンスが必須となりますので、治療後も歯科医院に通うようにしましょう。

【一覧で分かる】部分入れ歯とインプラントの比較表

部分入れ歯 インプラント
治療法 義歯床(歯茎に模したもの)、バネが組み合わさった取り外し可能な人工歯(義歯)を作製。

その義歯を歯を失った部分に装着する方法。

外科手術が必要。歯を失った箇所の顎の骨にインプラント体を埋め込む治療。

インプラントと骨の結合を待った後、人工歯を装着。

メリット
  • 取り外し可能でお手入れしやすい
  • 保険適用のため費用が安い
  • 外科手術が必要なく、身体への負担軽減
  • 治療期間・回数が少ない
  • 天然歯のような噛み心地
  • 審美性に優れている
  • 周りの歯を傷つけない
  • 顎の骨の吸収を防げる
デメリット
  • 周りの歯にバネがかかり、見た目が目立つ
  • 取り外しやお手入れが面倒
  • 装着時の違和感、不快感がある
  • インプラント歯周炎にかかる可能性がある
  • 自費診療のため、費用が高額
  • 治療期間・回数がかかる
費用 1本あたり、3,000~5,000円(保険適用) 1本あたり、約35~40万円
治療後のケア
  • 定期的なメンテナンス
  • 義歯用ブラシや専用の洗浄剤を使用しての洗浄
  • 定期的なメンテナンス必須
  • フロスや歯間ブラシなどの活用
寿命 入れ歯の材質によっても異なるが、約3~5年程度が目安 日頃のセルフケアや定期メンテナンスをしっかり行っておけば、約10~20年

部分入れ歯からインプラントに変えることはできるのか

基本的には部分入れ歯からインプラントに変えることは可能です。

ただし、インプラント治療を受けられる条件を満たしておく必要があるうえ、患者様の身体の状態によっては受けられない可能性もあるため、まずは歯科医院に相談しましょう。

部分入れ歯からインプラントにする流れ

部分入れ歯からインプラントに変えることはほとんどの場合可能ですが、インプラントにするためには、「顎の骨の量が十分でないといけない」という条件があります。

そのため、インプラント治療の前にレントゲンやCT撮影を行って、顎の骨の量を確認することが必要です。その他、周りの歯の状態の確認や歯のクリーニングを行い、事前に口腔内を整えてインプラント手術に臨みましょう。

部分入れ歯からインプラントに変えるメリット・デメリット

ここからは、部分入れ歯からインプラントに変えるメリット・デメリットについてみていきます。

メリット
  • 噛む力が回復することで、天然歯のように硬い物でも食べられるようになる
  • 取り外しをする手間がなくなる
  • 入れ歯を装着したときの違和感やズレたり外れたりする不快感がなくなる
  • 周りの歯にかけるバネがないことで、見た目が目立たなくなる
デメリット
  • 外科手術が必要になるため、身体への負担がかかる
  • 自費診療となるため、費用が高額になる
  • 骨の量が少ない方、全身疾患をお持ちの方は治療が難しいケースがある
  • インプラント歯周炎という感染症にかかる可能性がある
  • 最終的な人工歯を装着するまでに時間がかかる
  • インプラント治療は保険適応外なので治療費が高額になる

部分入れ歯からインプラントに変える費用

インプラントの費用は1本あたり35~40万円程度が相場となります。失った歯の本数分インプラントを埋め込むことになるため、本数によって費用が異なります。

また、インプラントを埋入する部分の顎の骨が少ない場合、「骨造成」といって骨を増やす手術が追加で必要になることがあります。その場合は別途費用がかかることを覚えておきましょう。

部分入れ歯とインプラントは併用できるのか

部分入れ歯とインプラントはそれぞれ異なる治療法ですが、併用することが可能です。

治療を別々で行うのと併用するとでは、治療法や費用など様々な点に違いが出てくるため理解しておきましょう。

インプラントオーバーデンチャーとは

インプラントオーバーデンチャーとは、数本のインプラントを埋入し、その上に入れ歯を装着するというインプラントと入れ歯を組み合わせた治療法です。

インプラントを用いることで安定性が抜群に高まり、入れ歯を装着したときの違和感や噛みにくさ、外れやすさを軽減することができます。

また、入れ歯は取り外し可能なためお手入れが行き届きやすく、口腔内の衛生面を綺麗に保つことも可能です。それぞれの良さが組み合わさった治療だからこそ、治療を検討される方も多いようです。

オーバーデンチャーのメリット

オーバーデンチャーは普通の入れ歯と違い、安定した噛み心地や違和感、不快感があまりないといった様々なメリットがあります。より具体的にご紹介していきます。

顎の骨が少なくても適用できる

通常のインプラント治療を受けるためには、顎の骨が十分にあることが条件となり、骨の量が少ない、薄い方は「骨造成(骨を増やす治療)」を追加で行う必要があります。

しかし、オーバーデンチャーは骨量が十分にある箇所を狙ってインプラントを埋入するため、骨が少ない、薄い方でも治療を受けることが可能です。

噛む力を回復できる

インプラントが顎の骨としっかり固定されているため、装着している入れ歯も安定し、硬いものでもしっかりと噛むことができます。

また、食事中や会話中でも外れたり、ズレたりすることもないため、ストレスなく日常生活を送れるでしょう。

入れ歯の違和感や不快感を感じにくい

通常の入れ歯だと、装着したときの発音のしづらさや噛んだときのズレる感覚や痛みなど、どうしても違和感や不快感があります。

オーバーデンチャーの場合、インプラントと入れ歯がしっかりと固定されるため、通常の入れ歯で感じていた不快さが大幅に改善し、不具合なく使えている方がほとんどです。

インプラントの本数が少なくて済む

通常のインプラントでは、失った歯の本数分のインプラントを埋入する必要があります。インプラントは外科手術のため、埋入する本数が多いと時間がかかり、身体的にも大きな負担がかかります。

しかし、オーバーデンチャーは最低限の本数で治療することが可能なため、通常のインプラント治療よりもあらゆる負担を軽減することができます。

取り外して手入れができる

インプラントオーバーデンチャーは通常の入れ歯と同様、取り外しできることから、ご自宅での毎日のお手入れも簡単です。

しっかりお手入れをしておくことで口腔内を清潔に保つことができ、入れ歯自体を長持ちさせられます。

通常のインプラント治療よりも費用を抑えられる

通常のインプラントでは失った歯の本数分インプラントを埋入するため、本数が多いとその分手術費がかかり、費用が高額となります。

しかし、オーバーデンチャーの場合、入れ歯を支えることのできる最小限のインプラントの本数で済むため、費用の負担を軽減することができます。

オーバーデンチャーのデメリット

オーバーデンチャーは、通常の入れ歯と比べて費用がかかるなど、もちろんデメリットもあります。

オーバーデンチャーと通常の入れ歯、どちらがご自身に合っているのか、以下のデメリットも踏まえて判断しましょう。

入れ歯と比べて費用と時間がかかる

インプラントオーバーデンチャーは、保険適用外のため費用が高額となります。費用相場としては【70万~150万円】程度のため、保険適用で数千円~数万円ほどの入れ歯と比べると大きな差があります。

また、オーバーデンチャーは外科手術を伴うほか、傷口の治癒を待ったり、インプラントと顎の骨の結合を確認するのに期間を置く必要があるため、治療が終わるまでに時間がかかることを知っておきましょう。

入れ歯そのものに抵抗がある場合は向いていない

オーバーデンチャーは通常の入れ歯と比べると、機能性や安定性、審美性に優れていますが、取り外し式の入れ歯であることに変わりはありません。

そのため、「取り外すのが面倒」「入れ歯を入れているのを見られたくない」など、入れ歯自体に抵抗がある方は、別の治療法を検討されるのがよいでしょう。

通常のインプラントよりも噛む力は弱い

オーバーデンチャーは、インプラントを土台として入れ歯を装着するため、普通の入れ歯と比べて安定し、硬い物でも噛めるようになります。

しかし、通常のインプラントと異なるのが、インプラントを埋入する本数。通常のインプラントは1本のインプラントに対し、一つの被せ物を装着しますが、オーバーデンチャーはインプラント1本に対して、複数の歯が連結した入れ歯を装着します。

通常のインプラントと比べると土台が少なくなる分、噛む力は弱くなります。

全員が治療できるわけではない

インプラント体を埋入するのに、歯茎を切開したり、顎の骨を削るなどの外科手術が必須となります。そのため、糖尿病や高血圧など全身疾患がある方は、治療が難しいケースがあります。

インプラントオーバーデンチャーをご検討の方は、一度歯科医院に相談しましょう。

時間の経過とともに合わなくなる場合がある

入れ歯は長期間使っていくうちに、日常の食事や会話などによってすり減ったり、噛む力が強い方は欠けたりするなど、同じ入れ歯を使い続けることが難しくなることもあります。

調整や修理によって改善できれば良いのですが、修繕が難しい場合は作り替えが必要になることもあるため、不具合を感じたらすぐに歯科医院へ相談しましょう。

部分入れ歯かインプラントか、先を見据えて最適な治療法を選びましょう!

部分入れ歯とインプラントそれぞれのメリット・デメリットを踏まえ、どの治療が自分にとって最適なのかを慎重に検討しましょう。

部分入れ歯やインプラントについて、疑問に思われることや判断に迷われることがございましたら、ぜひお気軽に当院【高田歯科クリニック】へご相談ください。

※本コラムはあくまで一般的な情報として説明しております。高田歯科ではコラム内容で触れてはおりますが、あえて対応していない内容もございます。

ご来院いただく患者様に合わせて最適なインプラント提案をさせていただいておりますので、まずはお気軽に相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年8月6日