20代でもインプラント治療は可能!メリットやデメリット、歯科医院の選び方
歯を失ってしまうのは、年齢を重ねてから起こり得ることだと思いがちですが、20代という若い年代でも歯を失う可能性はゼロではありません。
そこで選択される治療の一つがインプラントですが、インプラントは失った歯を補うために優れています。天然歯とほとんど変わらない状態にまで回復できるところが魅力の一つです。
本記事では、20代でインプラント治療を受ける際のメリットやデメリット・歯科医院の選び方について詳しく解説します。インプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
-この記事でわかること-
- 20代でもインプラント治療は可能
- 事故やスポーツ時の衝撃、重度の虫歯や歯周病、歯ぎしり・食いしばりなどの癖で歯を失った場合はインプラントがおすすめ
- 20代でインプラント治療を選ぶメリットは主に4つ(①ほかの健康な歯や歯周組織を守れる ②体力・免疫力があり、手術後の傷の回復が早い ③審美性が高く見た目が自然になる ④寿命が長いため長期的に使える)
- 20代でインプラント治療を受けるには条件を満たす必要あり。デメリットも踏まえて検討を
20代で歯を失う主な原因
20代という若い年代で歯を失う原因は主に3つに分けられます。これらは事故やスポーツの衝撃、重度の虫歯や歯周病、そして歯ぎしりや食いしばりなどの癖です。
高齢者に比べると例は少ないものの、こうした理由で歯を失うリスクが存在することを理解しておきましょう。それでは主な原因を1つずつ詳しく見ていきます。
事故やスポーツ時の衝撃
20代で歯を失う大きな原因の一つは、事故やスポーツによる衝撃です。特にスポーツ中に前歯を強打したり、人と接触したりすることで、歯が破損や脱落することがあります。
重症の場合、歯根まで損傷する可能性があり、その場合には抜歯が必要となることもあります。このような場合に、インプラント治療が選択肢の一つとして考えられることがあるのです。
重度の虫歯や歯周病
重度の虫歯や歯周病も20代で歯を失う主要な原因です。虫歯が進行すると歯根の奥に膿がたまり、根管治療が必要になることが多いのですが、症状が重い場合は治療すらできずに抜歯が必要になることもあります。
また、歯周病により歯を支える骨が溶け出し、歯がぐらついてしまうケースもあります。この場合も、他の歯の健全性を確保するために、抜歯の選択が取られることがあるのです。
歯ぎしり・食いしばりなどの癖
歯ぎしりや食いしばりといった無意識の癖は歯に大きな負担をかけ、それが長期間続くと歯根が損傷する危険があります。特に夜間に歯ぎしりをする人はリスクが高く、最悪の場合、歯が割れて抜歯が必要になることもあります。
歯ぎしりによる影響を避けるためには、ナイトガードの使用が効果的。ナイトガードは歯への圧力を緩和し、歯を保護します。また、こうした癖はインプラントにも影響を与えるため、インプラント治療の際には予防策を考えなければなりません。
インプラントは20代でも可能!
インプラントは失った歯の部分に人工歯根を埋め込み、その上から人工歯を被せ、天然歯とほとんど変わらない審美性や機能性にまで回復できる治療法の一つです。
そのインプラント治療は20代でも十分に可能。むしろ、顎骨の状態が良好で回復力も早いため、高齢者に比べて20代の方がインプラント治療には適していると言えるでしょう。
また、インプラントは長期間にわたって使用することができ、20代での治療によって将来の歯の健康を支える大きな利点があります。
ただ、インプラントは外科手術が必要で高度な技術を要する治療です。そのため、インプラント治療を検討する際は、必ず歯科医師に相談し、適切な診断とアドバイスを受けることが重要と言えるでしょう。
20代でインプラント治療を受けられる条件
前述した通り、インプラント治療は20代の若い方でも可能ですが、いくつかの条件を満たす必要があります。
治療前にその条件に当てはまっているかどうかしっかりと確認しましょう。ここからは具体的な条件について詳しく説明していきます。
顎の骨の成長が完了していること
インプラント治療を受ける際、顎の骨が成長を終えていることが大前提です。これは、インプラントを正しく固定するためには安定した骨の状態が必要だからです。
20代の方は多くの場合、顎の成長が完了していますが、個人差があるため注意が必要。顎骨の成長が続いていると、埋入したインプラントがずれるリスクがあるため、事前に歯医者での検査を受け、成長が終了しているか確かめることが求められます。
骨の量・厚みが十分にあること
顎の骨量や厚みは、インプラントの成功に直結する要素です。20代の多くの方は健康な歯槽骨を持っているため、問題なく治療が行えますが、もし不足がある場合は骨造成などの事前の処置が必要となることもあるでしょう。
骨の量や厚みは目視では確認できないため、骨の密度や質を確認するために、レントゲンやCTを使用した事前の詳細な検査が不可欠です。これにより、必要な骨量が確保されているかどうかを判断し、最適な治療計画が立てられます。
骨粗しょう症ではないこと
インプラント手術の成功には、十分な骨密度と質が求められるのですが、骨粗しょう症の方は、骨密度が低下しているため、インプラントがしっかりと固定されない可能性があります。
インプラントを支える骨が弱いと、長期的に安定した状態を保つことが難しくなるため、骨粗しょう症の兆候がある方は、事前に医師の検査を受けることが必要です。
重度の糖尿病でないこと
糖尿病は、特に傷の治癒力や感染リスクに影響を及ぼすため、インプラント治療を受ける際は注意を払わなければなりません。若い方であっても、糖尿病の傾向がある場合は事前に申告しておく必要があります。
また、血糖値が安定していない状態では、治療の成功率が低下する可能性があります。しかし、血糖値をコントロールできれば治療が可能になる場合もあるので、全身状態を考慮して治療を進めましょう。
喫煙者(ヘビースモーカー)でないこと
喫煙は、インプラント手術の成功に悪影響を与えることが知られています。タバコに含まれる物質には血流悪化や免疫力低下を及ぼす恐れがあるため、歯周病やインプラント周囲炎のリスクが増加してしまうのです。
さらには、術後の傷口の治癒や骨との結合が上手くいかなくなることもあります。手術前後は歯科医師より禁煙を求められることが多いため、この機会に禁煙を考えることも重要です。長期的な健康管理の観点からも禁煙は大切です。
20代でインプラント治療を選ぶメリット
20代でインプラント治療を選ぶことは、健康な歯を守りつつ、若さの利点を活かした快適な治療が可能です。
自然な見た目と長持ちする機能性を両立できるため、特に若年層には大きな魅力になるでしょう。以下で具体的なメリットを解説します。
ほかの健康な歯や歯周組織を守れる
インプラント治療のメリットの一つとして、健康な他の歯や歯周組織を守ることができる点が挙げられます。ブリッジや入れ歯と違い、インプラントは独立しているため、隣接する健康な歯に負担をかけることがありません。
周囲の歯を削らずに治療が可能であるため、大切な天然歯を最大限に守りつつ、インプラントを選択するのは賢明な判断と言えるでしょう。
これにより、健全な歯の寿命を延ばすことができ、将来的により多くの歯を保つことが可能です。20代という若い時期、まだ多くの健康な歯を持っている方にとって、この点は非常に重要な要素です。
体力・免疫力があり、手術後の傷の回復が早い
20代の方は一般的に体力と免疫力が高く、インプラント手術後の回復も早いと言われています。この若さゆえの体力・免疫力のおかげで、手術後の感染症リスクも低く、傷が早く治ります。
また、糖尿病や高血圧などの持病が少ないため、手術におけるリスクも少なく、安心して治療を進めることが可能です。若い年代でのインプラント治療は、手術のリスクや回復期間が少ないため非常に有利です。
審美性が高く見た目が自然になる
インプラント治療は審美性に優れており、自然で美しい口元を取り戻すことができます。人工歯であることがほとんど分からないため、歯が抜けたことや治療の跡が周囲に知られることはありません。
特に若い世代にとっては、見た目が自然であることは大きな安心感につながります。特に前歯のインプラントは、天然歯に近い白さと透明感を持ち、笑顔に自信を与えてくれるでしょう。
自然な見た目を早い段階で取り戻すことで、社会的な活動や人間関係において積極性が増し、プライベートでも自信を持って過ごすことができます。
寿命が長いため長期的に使える
インプラントは他の治療法に比べて寿命が長く、長期間にわたって口腔機能を維持できます。例えば、ブリッジや入れ歯の耐久年数が数年から十数年程度であるのに対し、インプラントは10年以上、場合によっては30年以上も持つことがあります。
適切なメンテナンスを続けることで、長く健康な状態を保つことができ、結果的に費用対効果が高いと言えるでしょう。20代でのインプラント治療は、若い時期から長く安定した口腔環境を保てるため、将来的な歯の健康にも大きく貢献します。
若いうちにしっかりとした治療を選択することは、未来の自分への大事な投資と言えるでしょう。
20代でインプラントを治療を受けるデメリット・注意点
インプラント治療は失った歯を取り戻すための優れた方法ですが、特に20代で治療を受ける際には、いくつかのデメリットや注意点があります。
これらを理解しておくことで、納得のいく治療選択をすることができるでしょう。
外科手術が必要
インプラント治療は局所麻酔による外科手術を伴います。このため、手術に対する不安や恐怖を感じる方も少なくありません。手術では、歯茎を切開し、顎の骨にドリルで穴を開けてインプラントを埋め込む作業が行われます。
特に外科手術への抵抗感が強い方は、施術前にしっかりと医師に相談し、不安を解消しておくことが大切です。
費用が高額になりがち(保険適用外)
インプラント治療は基本的に保険適用外であり、その費用は全額自己負担となります。1本あたりの治療費は医院によって異なるものの、多くの場合30万~50万円程度が費用相場です。
これほど高額な費用は、20代の方にとって大きな負担となることが少なくありません。また、他の治療法に比べて初期費用が高いこともあり、治療を躊躇する原因にもなります。適切な医院選びが費用を抑えるカギとなるでしょう。
治療の期間が長い
インプラント治療は通常、3ヶ月~1年といった長期にわたる治療を必要とします。入れ歯やブリッジと比較しても治療期間が長く、忙しい20代の方にとっては負担となる可能性があります。
特に学校や仕事でスケジュールが詰まっている場合、長期の治療計画に対応することが難しくなることも考えられます。
ただ、実際の通院回数は2〜3回程度であるため、前もって計画を立てれば対応可能です。
術後も定期的なメンテナンス(通院)が必要
インプラント治療は術後も定期的なメンテナンスが必要です。治療が完了した後も、3ヶ月から半年に一度通院し、インプラントの状態をチェックする必要があります。
20代では結婚や転勤に伴う引っ越しの可能性も高く、継続的に同じクリニックでメンテナンスを受けるのが難しいこともあるでしょう。他院でメンテナンスを受ける場合は、治療の保証が効かなくなることもあるので、事前に確認しておくと安心です。
感染症のリスクがある
20代は一般的に生活習慣病のリスクが低く、健康状態が良好であることが多いですが、それでも感染症のリスクが完全にゼロになるわけではありません。
特に糖尿病を抱えている場合には、歯周病菌の感染リスクが高まるため注意が必要です。若年層でも糖尿病のリスクを抱える人は少なくないため、心配がある場合は事前に内科医の意見を聞くことをおすすめします。
インプラントの感染リスクを最小限に抑えるためには、日常生活でのオーラルケアも徹底しましょう。
20代でインプラント治療を受ける際の歯科医院の選び方
20代でインプラント治療を考える際、安心して治療を受けるためには歯科医院選びが重要です。適切な治療を受けるためにいくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。
インプラント治療は専門的な技術を必要とし、将来的にも関わる重要な選択ですので、じっくりと検討して医院を選ぶことが大切です。
インプラント治療の実績が豊富
インプラント治療を受ける際、担当医の実績は非常に重要です。技術と経験に信頼のおける医師を選ぶことが不可欠。
専門的な知識と経験がある医師がいる歯科医院は安心感があり、より高い成功率を期待できます。治療に関する相談や不安についても豊富な経験を持つ医師がいる医院なら、的確にアドバイスやケアを受けることができるでしょう。
信頼できるメーカーを使用している
インプラント治療では、使用するインプラント体のメーカーも治療の品質を左右します。信頼性の高いメーカーの製品は、治療後の長期的な安定性や安全性において優れています。
特に20代という若い年齢で治療を受ける場合、将来的な問題を避けるためにも、品質や実績がしっかりとしたメーカーのインプラントを使用している医院を選ぶことが重要です。
質が低いインプラントを使用する医院を選ぶと、後に追加治療が必要になる可能性もあるため注意しましょう。
丁寧なカウンセリング・検査・診断をしてくれる
20代でインプラント治療を考える際、丁寧なカウンセリングや検査は非常に重要です。インプラントを行う際、正確な診断を行うためには、CTやレントゲンなどを用いた詳細な検査が必須となります。
そして、それに基づいて患者にわかりやすく治療計画を説明してくれる歯科医院を選ぶことで、治療に伴うリスクや費用についても理解を深めることができます。
患者様の意見を尊重しつつ、納得できる治療を進めてくれる医院を選ぶことが肝要です。
歯科医院の設備が整っている
インプラント治療の成功には、適切な設備と確実な感染対策が求められます。最新の検査機器を備えた医院を選ぶことで、慎重かつ正確な治療を受けることが可能となるでしょう。
特にCTや口腔内スキャナーを備えているかどうかは、治療の精度に直接影響します。さらに、清潔で衛生的な環境を維持している医院であれば、手術時の感染リスクも低減され、安心して治療を受けられるでしょう。
設備についてはホームぺージで掲載している歯科医院がほとんどのため、インプラント治療を検討している歯科医院のホームページを確認してみてください。
総合的な歯科治療をおこなっている
インプラント治療は、お口全体の健康を維持するために多岐にわたる歯科治療を必要とすることがあります。
そのため、20代で歯を失った際には、インプラントのみならず他の歯科治療も含めた総合的なアプローチを提供してくれる医院を選ぶのがおすすめです。
例えば、虫歯や歯周病の治療、噛み合わせの調整など、様々な角度からアプローチしてくれる医院が理想です。そのような医院ならば、インプラントの持ちを良くし、口腔全体の健康を長期的に維持できるでしょう。
20代でインプラントに迷うときは高田歯科クリニックへご相談ください!
20代であっても、条件をクリアできればインプラント治療を受けることが可能です。若い年代だからこそ、インプラントが有効であることも多く、インプラント治療を受けられる方も増えてきました。
20代でインプラント治療を受けることのメリット・デメリットをそれぞれ理解し、これから先長い人生を快適に笑顔で過ごせるよう、自分に最適な治療を選択しましょう。
当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、インプラント治療について悩まれている方のご相談から、その方に合った治療法のご提案まで幅広く承っております。インプラントについてのご相談は、ぜひお気軽に当院までお問い合わせください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2025年1月7日