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院長 高田 徹

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インプラントは半永久的に持つの?寿命や長持ちさせる方法をご紹介

インプラントは失った歯を補う治療法の一つです。天然歯とほぼ変わらない審美性や機能性を備えており、今までと同じように食事や会話を楽しめることでインプラント治療を希望される方も増えていますが、実はインプラントにも寿命があります。

ただ、インプラント治療は他の治療に比べて費用がかかるため、できるだけ長く使用したいと思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、インプラントは半永久的に持つのか、その寿命や長持ちさせる方法について詳しく解説します。インプラントを検討されている方やインプラント治療をすでに終えられている方も、ぜひ最後までご覧ください。

-この記事でわかること-
  • インプラントの平均的な寿命は約10年~15年。半永久的に持つわけではない
  • インプラントの寿命は、埋入箇所や患者様の口腔内の状態、治療後のメンテナンスなどによって個人差あり
  • 長持ちさせる方法は、①実績・経験豊富な歯科医院・歯科医師を選ぶ ②信頼できるインプラントメーカーを選ぶ ③歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける ④日々のセルフケアを怠らない ⑤生活習慣を見直す ⑥歯ぎしりや食いしばりの癖を見直す ⑦禁煙もしくは本数を減らす

インプラントの平均的な寿命

インプラントの平均的な寿命は約10年~15年で、10年後のインプラント残存率は約90%と言われています。歯を失った場合に選択される入れ歯やブリッジなどの他の治療と比べても寿命が長いことがメリットとして挙げられます。

ただ、インプラントを埋入する箇所や患者様の口腔内の状態、治療後のメンテナンスなどによっても寿命は大きく異なるのが現状です。中には20年、30年と半永久的に使用できているケースもあります。

特に、インプラントの寿命の年数を左右するのは治療後のメンテナンスのため、治療を終えたらそのままにするのではなく、歯科医院への定期的な通院が重要です。

どんな症状があると「寿命」だと判断されるのか

では、どのような症状が現れたら「寿命を迎えた」と判断されるのでしょうか。

具体的な症状をご紹介していきます。

インプラント体の破損・ぐらつき

インプラント体は顎の骨に埋め込んである人工歯根の部分です。その部分が破損したり、ぐらついたりしている場合には使用を続けることが難しいと判断されることが多いでしょう。

アバットメント(連結部分)の折れ

アバットメントは、インプラント体と上部構造(人工歯)をつなぐ土台となる部分です。

経年劣化や過度な力が加わることによって折れてしまうケースがあります。

人工歯の破損

人工歯に過度な力が加わることで欠けたり、割れたりすることがあります。

また、長年使用することで少しずつすり減り、破損しやすい状態になることもあり、その際寿命がきたと判断されることがあるでしょう。

痛みがある、他の歯への影響がある場合

インプラントには神経がないため、インプラントそのものが痛みを感じることはありません。ただ、周りの歯茎に炎症が起きて痛みが出たり、噛み合わせの不具合が起きたりすることによって他の歯に痛みが出る場合があります。

その場合、寿命が近づいているもしくは寿命がきた可能性があるため、違和感があれば我慢せずに、すぐに歯科医院で診てもらいましょう。

インプラントがダメになってしまう原因とは

インプラントは様々なことが原因でトラブルにつながりダメになってしまうことがあります。主な原因について見ていきましょう。

インプラント治療の失敗・歯科医師の技術が不十分

インプラント治療は正確な診断や治療計画、高度な技術が求められる難しい治療です。

そのため、診断や治療計画が不十分だったり歯科医師の技術が不確かだったりする場合、インプラント手術が失敗に終わってしまうことになりかねません。

インプラント周囲炎

インプラントがダメになってしまう原因の多くを占めているのがこの「インプラント周囲炎」です。インプラント周囲炎は、歯垢や歯石などの汚れが溜まることで細菌感染を起こす歯周病の一つ。

これは歯茎の炎症を引き起こすだけではなく、歯を支えている骨を溶かしてしまうため、最終的にはインプラントがぐらつき、脱落してしまう可能性があります。

メンテナンス不足

インプラントのメンテナンスでは、日頃の歯磨きでは取り除くことのできない汚れまで取り除きキレイにできます。しかし、メンテナンスを怠ってしまうと、先ほどご説明したインプラント周囲炎を招く可能性が高まり、寿命を縮めてしまうことになりかねません。

安さだけを重視して歯科医院やインプラントを選んだ

インプラント治療は自費診療のため、価格設定は歯科医院によってそれぞれ大きく異なります。

その中でもインプラント治療を格安で提供している場合、「歯科医師の実績や症例が少ない」「十分な設備が整っていない」「有名ではないインプラントメーカーを使用している」などのケースがあり、治療後にトラブルを招いてしまう可能性が高いことが考えられます。

安さを重視してしまいがちですが、その安さの背景には何らかの理由があるかもしれないことを頭に入れておきましょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖

歯ぎしりや食いしばりは、顎やインプラントに想像以上の力が加わります。

長く使用し続けるほどにそのダメージは蓄積され、人工歯が欠けたり割れたりするだけではなく、インプラント体の破損にもつながります。最終的にはぐらつき、折れる可能性もあるのです。

喫煙

タバコに含まれるニコチンなどの物質には、血行不良、免疫力低下などを招く要素があります。

その影響により、「インプラント体と骨の結合が上手くできない」「感染症のリスクが高まる」「歯周病を悪化させる」といった状態になり、非喫煙者と比べるとインプラント治療が失敗に終わってしまう可能性が高くなるのです。

インプラントを長持ちさせる方法

インプラント治療は専門的な知識や高度な技術が必要となるため、治療に関する選択や判断を歯科医院へ委ねてしまいがちです。

しかし、患者様自身による選択やケアがインプラントを長持ちさせるうえで欠かせない要素となります。以下のポイントを押さえておきましょう。

実績・経験豊富な歯科医院・歯科医師を選ぶ

インプラントは外科手術を伴い、専門的な知識や高度な技術が求められる難易度の高い治療です。歯科医師によって経験年数や技術力が異なるため、まずは治療の経験や症例数が豊富にあり、実績もある歯科医院や歯科医師を選びましょう。

それによって安心して治療を進められるほか、インプラントを長持ちさせることにもつながります。

事前に歯科医院のホームページで確認したり、インプラントに詳しいドクターを探したりすることがおすすめです。

信頼できるインプラントメーカーを選ぶ

インプラントのメーカーにも様々な種類があり、それぞれの材質や構造、顎の骨との結合性などが異なります。その中でも世界的にシェアが高く信頼性のあるインプラントを選ぶことが重要です。

例えば世界的に有名なものは、ストローマン、ノーベルバイオケア、ジンマー、アストラテックなどが挙げられます。

なお、明らかに安価なものは安全性や信頼性が確立されていない場合があり、インプラントの寿命を短くしてしまう可能性があります。

インプラント治療を行っている歯科医院では、ホームページなどで取り扱っているメーカーを掲載しているところがほとんどのため、確認してみましょう。

歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける

インプラントの治療が終わった後も、約3ヶ月に1回のペースでの定期的なメンテナンスを推奨している歯科医院がほとんどです。というのも、日頃の歯磨きだけでは取り除けない汚れがあり、放置しているとインプラント周囲炎を招き寿命を縮めてしまうからです。

だからこそ、歯科医院でのプロによるクリーニングやブラッシングの指導は口腔内を綺麗に保つための予防として欠かせません。その他にも噛み合わせやインプラントに不具合が起きていないかのチェックを行っているため、何か問題が起きたときでもすぐに対応ができます。

日々のセルフケアを怠らない

歯科医院での定期検診は1年に約4回。その他のメンテナンスと言えば、ご自宅でのセルフケアです。せっかく定期検診に通っていてもセルフケアを怠っていては口腔内の状態を綺麗に保つことができず、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まってしまいます。

そのため、インプラントを長持ちさせるためにも歯科医院ではブラッシング方法の指導を積極的に受け、ご自宅でも同じようにケアができるようにしましょう。

また、歯ブラシに加えてデンタルフロスや歯間ブラシなどを活用し、念入りにケアをしていくことが大切です。

生活習慣を見直す

睡眠不足、運動不足、偏った食事など生活習慣が乱れていると免疫力が低下し、インプラントの状態を悪くしてしまう可能性があります。中でも生活習慣病である糖尿病、骨粗しょう症には気を付けなければなりません。

例えば、糖尿病は「免疫力が低下することでインプラント周囲炎になりやすい」、骨粗しょう症は「骨の量が低下することでインプラントが骨と結合しづらくなる」といったトラブルが起こりやすくなります。そのため、健康を維持できるよう生活習慣を見直しましょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖を見直す

歯ぎしりや食いしばりの際にかかる力は想像以上に強く、歯や顎への負担はかなり大きくなります。

インプラント体は顎の骨に埋め込まれているため安定していると思いがちですが、慢性的に必要以上の負荷がかかり続けると、上部構造が欠ける、最悪の場合インプラントがぐらつくなどのトラブルが起こることも考えられます。

そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は歯科医師へ相談し、歯や顎への負担を軽減するナイトガードを活用するのもひとつの方法です。

禁煙もしくは本数を減らす

タバコに含まれるニコチンは、血流悪化、白血球の働き抑制、唾液の分泌抑制など、インプラントに対して悪影響を及ぼす要素がたくさんあります。

たとえインプラント治療が無事に終わったとしても、インプラント周囲炎にかかりやすい、骨との結合が上手くいかない、感染症のリスクが高まるといった状況に陥りやすくなるのです。

そのため、インプラントを長持ちさせるためにも、喫煙習慣がある方は禁煙もしくは本数を減らすよう心掛けましょう。歯科医院によっては、禁煙をしないと治療が受けられない場合もあります。

インプラントの寿命がきたらやるべきこと

インプラントが欠けてしまった、ぐらつく、折れてしまったなどの不具合や、インプラント治療をして10年以上経過している場合には、できるだけ早く対処することが大切です。

寿命がきたらやるべきことについて見ていきましょう。

できる限り早く歯科医院に相談・受診する

人工歯が欠けたり、インプラント自体がぐらついたりするなどの不具合が起きた場合には、まずできる限り早く歯科医院に相談し、受診しましょう。

トラブルが起きたまま放置することで、感染症、インプラントの脱落などのリスクが高まり、状態の悪化を招いてしまいます。状態が悪化すれば、再治療が難しくなったり、現状態の回復を待つのに時間を要する場合も考えられるでしょう。

トラブルが起きた場合はすぐにインプラント治療を受けた歯科医院へ相談しましょう。

保証期間内なら無料で再治療を受けられる

インプラント治療には保証期間があり、一般的にその保証期間は5年~10年に設定されている歯科医院が多いようです。そして保証期間内に何かしらのトラブルが起きた場合、無料で再治療を受けることができる歯科医院がほとんどです。

なお、保障内容や期間は歯科医院によってそれぞれ異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

条件を満たしていない場合は保証適用外になることも

インプラントを正常に機能させ、長持ちさせるためには定期的な検診・メンテナンスが必要不可欠です。そのため、保証の対象として「定期的なメンテナンスに通っていること」が条件となり、この条件を満たしていないと保証の適用外なり、新たに高額な費用がかかる場合があります。

そうならないためにも、何かあってからではなく、インプラント治療を終えてからも定期的なメンテナンスを受けるように心がけましょう。

寿命を迎えたインプラントの交換費用

インプラント治療の場合保証期間が設けられていることがほとんどのため、保証期間内に交換が必要になる場合は、無料もしくは低価格で対応できます。

もし保証期間外であれば、その交換費用は被せ物の種類によってそれぞれ異なるものの、約5万〜15万円程度が費用相場です。インプラント体(人工歯根)やアバットメント(土台)も同様に通常の金額での交換が必要になるでしょう。

しかし、先ほどお伝えしたように、保証の対象は歯科医院での定期的なメンテナンスを受診していることのほかにもいくつかの条件があるため、必ず条件を満たすよう心掛けましょう。

「インプラント 半永久」に関するよくある質問

最後に、「インプラント 半永久」に関するよくある質問にお答えします。

インプラントは半永久的に使用できますか?

インプラントは必ずしも半永久的に使用できるとは言い切れません。というのも、インプラントにも寿命があり、平均的には10年~15年と言われているからです。

この寿命には患者様の口腔内や全身状態、日頃の管理などによって個人差がありますが、インプラントにも寿命があることを理解しておきましょう。

インプラントは30年も使えますか?

インプラントの平均寿命は約10年~15年と言われています。

インプラントの埋入箇所、インプラントの材質、口腔内の状態によって使用できる年数は人それぞれ異なりますが、中には30年使い続けている方もいらっしゃいます。

インプラントは最長何年ぐらい持つものですか?

インプラントは実際に20年、30年と使用を続けている方もおり、半永久的に使用し続けられる可能性の高い治療法の一つです。

ただし、インプラントを長持ちさせる大前提として、歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることやご自宅でのセルフケアの徹底など、日頃から口腔内や全身状態を健康に保ち、メンテナンスを行っていることが欠かせません。

インプラントを長持ちさせられるかは自分次第!歯科医院で適切なメンテナンスを!

インプラントは他の治療法と比べて寿命が長いため、魅力的に感じる方も多いでしょう。しかし、その寿命を長くするのも短くするのも自分次第。

インプラント治療後に定期的なメンテナンスに通っていることや、ご自宅でのセルフケアを丁寧に行えているかどうかでインプラントの寿命は大きく左右されるため、日頃からその点を意識して過ごすようにしましょう。

インプラント治療をご検討中の方やインプラントの寿命について気になることやご不安なことがある場合は、お気軽に「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」へご相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年11月5日