インプラント治療でセカンドオピニオンは必要?メリット・デメリットも丸分かり!
インプラント治療は虫歯治療とは異なり外科手術を伴います。顎の骨にインプラント体を埋めるという高度な技術を必要とするため、歯科医師の技術力の高さや診断の正確さ、歯科医院の設備などを慎重に見極める必要があります。
そこでおすすめしたいのが「セカンドオピニオン」を受けることです。セカンドオピニオンを受けることで、主治医以外の様々な歯科医師の意見や治療法など「第2の意見」を求めることができ、より納得した上で治療に臨むことができるようになります。
本記事では、セカンドオピニオンの必要性やメリット・デメリットについて解説していきます。インプラント治療に不安のある方やセカンドオピニオンを受けるか迷われている方は、ぜひ最後までご覧ください。
-インプラント治療におけるセカンドオピニオンのメリット・デメリット-
- メリット①主治医の診断が適切なのかを判断できる
- メリット②インプラント治療に対する知識が深まり、納得感が高まる
- メリット③治療の選択肢が広がり、自分に合った治療方法を選べる
- メリット④治療費の適正価格が確認できる
- メリット⑤メーカーや治療法、保証内容、設備などを比較できる
- メリット⑥不安や疑問を解消できる
- デメリット①費用がかかる
- デメリット②診断内容が同じになることもある
インプラント治療における「セカンドオピニオン」とは
はじめに、インプラント治療におけるセカンドオピニオンについての基本を解説していきます。
セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンとは、主治医とは異なる別の歯科医師から治療方法などについて意見を求めることを指します。治療を受ける患者様が不安や疑問を解消し、納得して治療を選んで決断できるように主治医以外の医療専門家に「第2の意見」を求めるものです。
複数の治療方法がある場合や、1度説明を受けてもすぐに決断できないような場合にセカンドオピニオンが推奨されます。
特にインプラント治療は、歯科治療の中でもかなり高度な技術力が求められる治療法だからこそ、セカンドオピニオンの様々な意見を参考にご自身が納得した上で治療に臨むことが大切です。
セカンドオピニオンが必要な理由
歯科治療は、たとえ同じ症状であっても歯科医院や歯科医師によって診断内容や治療方法が異なる場合があります。また、歯科医師にはそれぞれ専門性や得意・不得意があるため、全ての医師がどんな治療にも詳しく、どんな症状も治してくれるというわけではありません。
だからこそ、主治医の診断や勧められた治療法が全て正しいと判断するのではなく、セカンドオピニオンを活用することが必要なのです。
不安や疑問点を解決しながら治療の選択肢を増やし、結果的に納得のいく治療を受けることが最善の方法と言えるでしょう。
セカンドオピニオンのメリット
インプラント治療において、セカンドオピニオンを受けるメリットは以下の6つです。
- 主治医の診断が適切なのかを判断できる
- インプラント治療に対する知識が深まり、納得感が高まる
- 治療の選択肢が広がり、自分に合った治療方法を選べる
- 治療費の適正価格が確認できる
- メーカーや治療法、保証内容、設備などを比較できる
- 不安や疑問を解消できる
1つずつ見ていきましょう。
主治医の診断が適切なのかを判断できる
セカンドオピニオンを受けると、主治医の診断が適切であるかが判断しやすくなります。先述した通り、インプラント治療は高度な技術と知識が必要になるため、歯科医師の診断の正確さが非常に重要です。
さらに、口腔内の状況からインプラント治療が難しいと診断された場合でも、ほかの歯科医師からは「治療が可能」と判断されたケースもあります。
歯科医師によって診断結果が異なる場合があるからこそ、複数の歯科医院で治療方針を聞き、主治医の診断が本当に正しいのかどうかを見極めることが大切です。
インプラント治療に対する知識が深まり、納得感が高まる
高額かつ難易度の高いインプラント治療では、歯科医師の説明をしっかりと理解することが大切です。しかし、主治医の一度の説明で全てを把握するのは難しい場合があります。
また、別の歯科医師に相談することで、新たな視点や情報を得られ、より深い理解へとつながることがあります。
その点、セカンドオピニオンは知識と理解を深めることができ、より納得した上で治療を進められるというメリットがあります。
治療の選択肢が広がり、自分に合った治療方法を選べる
セカンドオピニオンを受けることで、入れ歯やブリッジなどの他の治療方法を知ることもできます。つまり、患者様の状況や希望に適したよりよい選択肢が見つかる可能性があるということです。
そもそも本当にインプラントが自分にとって最適なのか?できるのか?といった治療の可否や、自分に合った他の治療方法があるのかどうかなどの意見を聞くことができます。
歯科医師によって判断が異なるため、選択肢を広げるためにもセカンドオピニオンを受けることがおすすめです。
治療費の適正価格が確認できる
一般的なインプラント治療の費用相場は、1本あたり30万~40万円と言われていますが、インプラント治療は自由診療のため、歯科医院によって治療費が大きく異なります。
セカンドオピニオンを活用すれば、いくつかの歯科医院の費用を比較・インプラント治療の適正価格を確認することも可能です。決して安くないものなので、適正価格を頭に入れ、ご自身が納得のいく費用でインプラント治療を受けましょう。
メーカーや治療法、保証内容、設備などを比較できる
インプラント治療は取り扱っているインプラントのメーカーや治療法、設備、保証内容も歯科医院によって大きく異なります。
これらを比較するためにも、セカンドオピニオンでしっかりと治療内容の詳細を聞き、理解と納得をした上で最適な判断をしましょう。
不安や疑問を解消できる
不安や疑問が残ったまま治療に進んでしまうと、希望通りの結果にならなかったときに後悔してしまうことになりかねません。
とはいえ、主治医に聞きにくいこともあるかもしれません。そのようなときにセカンドオピニオンを積極的に活用すれば、治療前に不安や疑問点を解消し、安心して治療を進められるでしょう。
セカンドオピニオンのデメリット
次にセカンドオピニオンのデメリットについても見ていきましょう。
費用がかかる
セカンドオピニオンは自由診療として行うため保険適用外です。インプラント治療と同様、費用は歯科医院によって異なります。
中には無料でセカンドオピニオンを行う歯科医院もありますが、転院を勧められる場合があることも考慮しておきましょう。セカンドオピニオンを検討されている場合は、事前に歯科医院に費用について確認をとっておくと安心です。
診断内容が同じになることもある
セカンドオピニオンを受けたからといって、必ずしも主治医とは別の診断がされたり、望んでいた結果が得られたりするわけではありません。
あらかじめ、主治医の診断内容と同じになることもあるということは理解しておく必要があるでしょう。
セカンドオピニオンの歯科医院の選び方
セカンドオピニオンの歯科医院を選ぶ際には、下記のポイントを押えておくことが大切です。
- セカンドオピニオンに対応しているか
- 専門医が在籍しているか
- 使用している設備が古すぎないか
- 現在通院中の歯科医院を悪く言わないか
それでは、1つずつ見ていきましょう。
セカンドオピニオンに対応しているか
まずは検討している歯科医院がセカンドオピニオンに対応しているかどうか、を事前に確認しましょう。
必ずしもすべての歯科医院がセカンドオピニオンを受け入れているわけではありません。また、歯科医院によって治療方法や歯科医師の技術、設備は異なるため、インプラント治療の実績が豊富な歯科医院を選ぶことをおすすめします。
インプラントに精通している歯科医院を選ぶことで、より詳しい説明を受けることができるでしょう。
専門医が在籍しているか
内科や外科のように、歯科医師にも専門分野があります。セカンドオピニオンを受ける際には、その分野に詳しい歯科医院やインプラントの分野に特化した専門医が在籍している歯科医院を選ぶようにしましょう。
インプラントの専門医は高度な技術と豊富な知識を兼ね備えており、これまでの治療経験も多いため意見にも説得力があります。今ある不安や疑問を解消しやすくなり、納得した上で治療に臨めるでしょう。
使用している設備が古すぎないか
使用している設備が古すぎると精密な検査が難しい場合があり、診断の質も落ちてしまします。精密な検査に欠かせない歯科用CTや最新の設備などが整っている歯科医院を選びましょう。
今では、取り扱っている機材や道具についてホームページなどに詳しく載せている歯科医院も多いため事前に調べておくのがよいでしょう。
現在通院中の歯科医院を悪く言わないか
主治医の診断に対する疑問や不安点を丁寧に解消してくれたとしても、現在通院中の歯科医院を悪く言う歯科医院は良いとは言えません。
というのも、今後トラブルや通院中の歯科医院との信頼が失われることにつながりかねないからです。客観的な意見を重視するならば、中立的な立場で説明してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。
セカンドオピニオンを受ける前に準備すること
インプラント治療に関してセカンドオピニオンを受けるときは、主治医の診断に対する疑問点や不安な点を事前にピックアップしておくことが大切です。
漠然とした状態で別の歯科医院のセカンドオピニオンを受けても、また同じような疑問点や不安が生じてしまうかもしれません。
時間とお金を無駄にしないためにも、何のためにセカンドオピニオンを受けるのかを明らかにし、事前の準備をしっかり行うようにしましょう。
セカンドオピニオンで確認したい内容
セカンドオピニオンで確認したい主な内容は以下の通りです。
- 主治医の診断が正確なのか
- 治療法に対する意見(インプラントが最適なのか?他の治療法は?)
- 主治医の説明で疑問に感じたことや不安要素
- 費用や保証内容も確認
それでは、1つずつ見ていきましょう。
主治医の診断が正確なのか
まずは主治医の診断が正確なのかを聞きましょう。セカンドオピニオン先でインプラント治療に関わる検査や口腔内を確認してもらった上で、主治医の診断が正確なものなのかを判断してもらいます。
その判断のうえ、セカンドオピニオンを受ける歯科医師の診断や説明を聞き、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
治療法に対する意見(インプラントが最適なのか?他の治療法は?)
口腔内や治療したい歯に対する治療法は1つとは限りません。例えば歯を失った場合はインプラントのほかにも、入れ歯やブリッジなど複数の選択肢があります。
患者様の口腔内の状態などによって推奨する治療法が異なる場合があり、その判断も歯科医院によって変わる場合もあるでしょう。
そのため、インプラントが本当に最適なのか、他の治療法の方が合っているのではないかなど、でき得る治療やメリット・デメリットも伺い、総合して判断すべきです。
主治医の説明で疑問に感じたことや不安要素
インプラント治療は、普段聞き慣れない言葉や専門用語が多く使われ、主治医の説明がなかなか理解できないこともあるかもしれません。
セカンドオピニオンを受ける際には主治医の説明のなかで疑問に感じたことや不安に思うことを正直に伝え、それに対する意見を聞くことも非常に重要です。
費用や保証内容も確認
インプラント治療は自由診療のため、歯科医院によって費用や保証内容が大きく異なります。
安ければ安い方がよいというわけではなく、費用の内訳がどうなっているかを確認し、費用相場や別の歯科医院と比較してみて、適正価格なのかを確認することも大事です。
また、保証内容に関しても、期間や具体的な内容、保証となる条件などは歯科医院によって様々です。治療をスタートしてからの転院などは難しいこともあるため、セカンドオピニオンをうまく活用し、費用や保証面でも納得できる歯科医院を選びましょう。
セカンドオピニオンを受ける流れ・手順
セカンドオピニオンを受けるときの流れ・手順は以下のとおりです。
1. セカンドオピニオンに対応している歯科医院を探す
2. セカンドオピニオンを受けることを主治医に伝える
以下にて、それぞれ詳しく解説します。
①セカンドオピニオンに対応している歯科医院を探す
セカンドオピニオンを受けると決めたら、まずは対応している歯科医院を探しましょう。歯科医師にも専門分野があったり、歯科医院によって治療方法や実施できる治療法が異なったりすることがあります。
そのため、インプラント治療の実績がある、インプラント治療を得意としている歯科医院を選ぶのが良いでしょう。
②セカンドオピニオンを受けることを主治医に伝える
セカンドオピニオンを受ける場合には、それを主治医に伝えるようにしましょう。伝えづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、診断結果や診断書、診断に用いたレントゲン写真やCTデータなどを提供してもらえることが多いため伝えてみましょう。
セカンドオピニオンを受ける歯科医院で改めて検査をすることも可能ですが、その分時間と費用が余計にかかることになります。セカンドオピニオンをスムーズに行うためにも、事前に主治医に伝えることが大切です。
セカンドオピニオンを受ける際の注意点・心構え
ここからは、セカンドオピニオンを受ける際の注意点・心構えをご紹介します。
セカンドオピニオンは基本的に予約が必要
セカンドオピニオンを受けるときは、基本的に歯科医院への予約が必要です。予約なしで訪問しても担当の歯科医師が他の患者様の対応中で時間をとってもらえないケースがほとんどでしょう。
まずは事前にインプラントのセカンドオピニオンを受けたいという旨を伝えて、必ず予約をとりましょう。
診断が希望通りにならないこともある
セカンドオピニオンは、歯科医師が必ずしも自分の意見や希望に沿った提案や説明をしてくれるというわけではありません。
今後インプラント治療を進めていくなかで、セカンドオピニオンを受ける際にご自身の意見や希望を伝えることは大切です。しかし、歯科医師は患者様の状況をしっかりと見極めたうえで最善の治療方法を提案してくれます。
診断が希望通りにならないこともあるということを理解しながら、セカンドオピニオンでは自分の納得のいく治療方法を歯科医師と一緒に見つけましょう。
質問できる時間に制限があるため前準備が肝心
セカンドオピニオンは通常、歯科医院の営業時間内に実施され、30分~1時間という決められた時間の中で説明を受けることがほとんどです。
その中でセカンドオピニオンを受けるためにも、事前に確認したいことや質問内容、主治医から提供された診断書やCT画像などをまとめて準備しておくことが重要です。
事前準備をしておくことで、治療に対する理解がさらに深まり、有意義な時間となるでしょう。
歯科医院ごとに費用が異なる/保険適用外
セカンドオピニオンは自由診療のため、歯科医院によって費用が大きく異なります。無料で相談を受けている歯科医院もありますが、歯科医院によっても異なります。
まず、セカンドオピニオンの相談先を探す際は、無料なのか保険適用外なのかを事前に確認しましょう。
口頭の説明で分かりにくい、伝わらない場合がある
インプラント治療は複雑な治療であるため、主治医から受けた診断結果や説明を別の歯科医師に伝える場合、口頭の説明だけでは詳しい内容まで伝わらない可能性があります。そのことは頭にいれておかなければなりません。
ただ、前述した通り主治医に診断書やCTデータなどをもらえたり、紹介状を作成してもらえたりすることもあるため、セカンドオピニオンを受ける前にはやはり主治医に伝えておくことが推奨されます。
セカンドオピニオンを受けられるのは原則本人
セカンドオピニオンを受ける際は、原則治療を受ける本人が同席していることが必須です。
もし、ご家族やご本人以外の方がセカンドオピニオンを希望される場合は、本人の同意書が必要であったり、歯科医院によっては受けられない可能性もあったりするため、事前に確認しましょう。
信頼できない場合は再度セカンドオピニオンを受けることも検討を
セカンドオピニオンの際に、「無理に転院を勧められる」「費用が他の歯科医院と比べてかなり安い」「通っている歯科医院を悪く言う」といった状況が見られたら、慎重に対応する必要があります。
少しでも不信感があれば別の歯科医院で再度セカンドオピニオンを受けるのがよいでしょう。ご自身でしっかり納得した上での治療を受けられるよう、自分に合った歯科医院選びをすることが大切です。
「インプラント セカンドオピニオン」に関するよくある質問
インプラントのセカンドオピニオンに関するよくある質問についてお答えしていきます。
セカンドオピニオンを受ける場合、主治医には伝えるべきですか?
できる限り主治医に対して「セカンドオピニオンを受けたい」という旨を伝えるのが理想的です。なぜなら、別の歯科医院へ共有するための主治医の診断書や診断に用いたレントゲン写真、CT画像などを提供してもらえるからです。
そのような資料があることで、よりスムーズかつ有意義なセカンドオピニオンとなるでしょう。
セカンドオピニオンは自費ですか?費用はいくらぐらいですか?
セカンドオピニオンは自由診療のため、基本的には保険適用外です。相談のみであれば無料で行っている歯科医院もありますが、費用については歯科医院によって大きく異なり、5,000円~20,000円程度が相場です。
具体的な費用については、セカンドオピニオンを検討されている歯科医院へ確認しましょう。なお、通院中の主治医から診断に用いたCT画像などの提供がされた場合は、セカンドオピニオン先での検査費用を抑えることができるでしょう。
セカンドオピニオンはいつ受けるのがいいですか?
主治医の説明を受け、疑問や不安点が残る場合はその時点で受けるのがおすすめです。
少なくともインプラント治療がスタートする前にセカンドオピニオンを受けることで、不安や疑問点が解消でき、ご自身の納得したうえで治療に臨むことができます。
セカンドオピニオンと転院との違いは何ですか?
セカンドオピニオンとは、現在通われている主治医の治療法や診断について別の歯科医師に意見を求めることを言います。
一方、転院は現在通院中の歯科医院から別の歯科医院へ移って治療を受けることです。なお、セカンドオピニオンを受けた後に、受けた先の歯科医院で治療を行う場合は、転院するという表現になります。
セカンドオピニオンを受け、信頼できる歯医者で納得できる治療を!
安心してインプラント治療を行うためにも、主治医の診断に対して少しでも不安に思うことや疑問点がある場合は、セカンドオピニオンを活用しましょう!
歯はこれから長く付き合っていく一生のパートナーです。疑問や不安点を解消し、ご自身が納得したうえで治療に臨みましょう。
インプラント治療を迷われている方やセカンドオピニオンを検討されている方は、ぜひ当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」へお気軽にご相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2024年10月10日