インプラント治療に欠かせない歯科用CTとは?必要性や費用も解説
インプラント治療を検討中の方にとって、歯科用CTの存在は一つのキーポイントとなります。精密な診断と治療計画を立てるために欠かせないこの設備は、今日のインプラント治療に欠かせないと言っても過言ではありません。
本記事では歯科用CTの基礎知識や必要性、検査の費用相場などを詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
-この記事でわかること-
- 「歯科用CT」とは、コンピュータを使った画像処理により3次元画像を再構成し、歯や顎の骨の状態を立体的に捉えることができる装置のこと
- インプラント治療におけるCT撮影の必要性は、①安全に手術を行うため ②顎の骨に人工歯根を正確に埋め込むため ③神経や血管損傷を防ぐため
- 歯科用CTにかかる費用はおよそ1~2万円
- インプラント治療は歯科用CTがある歯科医院での治療が安心!
歯科用CTとは
歯科用CTは、コンピュータを利用した画像処理により、口腔およびその周辺の3次元画像を再構成し、診断に使用される装置です。
X線を使ってさまざまな角度から詳細な画像を取得することで、インプラント治療をはじめとする各種歯科治療において重要な情報を提供します。
歯の状態や骨の厚み・高さ、神経や血管の位置を正確に把握することが可能で、より安全に精度の高い診療を実現します。
歯科用CTの特徴
歯科用CTの最大の特徴は、鮮明かつ立体的な3次元画像を得られることです。以下で詳しくご紹介します。
「歯科用CT」と従来の「レントゲン」の違い
従来のレントゲンは平面画像をもとに情報を得るため、奥行きや骨の詳細な状態を把握することが難しい一方、歯科用CTは三次元の立体画像を生成します。
通常のレントゲンでは確認できない骨内部の状態や神経、血管の走行まで詳細に把握できます。これまでの平面的な画像よりも詳細な情報が得られるため、骨や神経の位置関係を正確に理解でき、治療の精度が飛躍的に向上します。
特に複雑な症例においては、歯科用CTが診断と治療計画をより的確に行うための重要な役割を果たすのです。
歯科用CTは、インプラントや矯正治療、親知らずの抜歯などあらゆる歯科診療を正確に行うために欠かせない装置と言えるでしょう。
「歯科用CT」と「医科用CT」の違い
歯科用CTは、医科用CTとは異なり、短時間での撮影が可能で、被ばく量も大幅に少なくなっています。そのため、座った姿勢でも撮影が可能となり、患者様への負担が少ないのが特徴です。
また、撮影部位が限定されているため、必要な情報を迅速に取得できることも特徴として挙げられます。
歯科用CTでできること
ここからは、より具体的に歯科用CTで何ができるのか、どんなことが分かるのかについて見ていきます。
短時間で口腔内の状態が把握できる
歯科用CTの撮影は数十秒程度と短時間で終わり、患者様への負担が少ないのも特徴のひとつです。この短い時間で、骨や歯、血管、神経の情報を3Dで取得し、迅速かつ的確に歯科治療の準備が行えます。
撮影結果をもとにコンピュータ上で精密な手術シミュレーションを行い、治療計画を立てることができるため、効率的かつ効果的な診療が可能になります。
従来のレントゲンで見えない部分まで確認できる
従来のレントゲンでは平面的にしか把握できなかった骨の内部構造や、歯周病の進行具合、親知らずの状態なども、歯科用CTでは立体的に確認することができます。
インプラントの埋入位置を正確に決定するための検査や、骨密度を測定して柔軟性を確認することができ、患者様それぞれの口腔内の状態に応じた適切な治療を可能にします。
3次元画像で精密な診断・検査ができる
前述した通り、歯科用CTを使用すると、従来の2次元画像では困難であった3次元的な診断が可能になります。これにより、骨や神経の位置、血管の配置、骨密度など、口腔内の詳細な情報を把握し、より精密な診断が行えます。
立体的な3D画像は患者様に対する説明も可視化されることで理解しやすく、安心感も高まるでしょう。
歯科用CTに注意が必要な方もいる
歯科用CTは非常に有効な診断装置ですが、全ての患者様に適用できるわけではありません。
たとえば、妊娠中の方や体内に除去できない金属を持つ方、心臓ペースメーカーを使用されている方は、CT撮影が適さない場合があります。
特にインプラントを使用している場合は、使用されている金属に問題がないか事前に確認が必要です。撮影を行う前には必ず担当医師や歯科衛生士等に相談しましょう。
インプラント治療におけるCT撮影の必要性
通常の歯科治療は、今の歯の症状の進行を食い止めたり、痛みを取り除いたりするなど、今ある歯を長持ちさせるための治療を行います。
一方、インプラント治療は顎の骨にインプラント体を埋め込み、失った歯を補うための方法で、外科手術を伴います。その際には、インプラント体を顎の骨に正確に埋入する、血管や神経を傷つけないようにするなど、通常の治療に比べて技術的な精度と慎重さが求められます。
そのため、インプラント治療では精密な診断ができるCT撮影が欠かせないのです。ここからはインプラント治療におけるCT撮影の必要性に着目して解説していきます。
安全に手術を行うため
外科手術を伴うインプラント治療は事前の綿密な準備が不可欠です。
歯科用CTを用いることで、顎の骨の状態を立体的に把握し、インプラントを埋入する位置や角度を詳細にシミュレーションできます。これにより手術の安全性が向上し、合併症の予防にもつながります。
顎の骨に人工歯根を正確に埋め込むため
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を正確に埋め込む必要があります。そのためには、顎の骨量や厚み、形状を十分に理解し、正確な施術計画を立てることが大切です。
歯科用CTによって得られる立体的な画像は、レントゲン写真では確認しにくい細かな骨の状態まで把握可能。CT検査により骨量不足が判明した場合には、骨移植を行うなどの適切な処置を施す判断も可能です。この詳細な情報がインプラントの成功率を高めます。
神経や血管損傷を防ぐため
顎の骨には重要な神経や血管が多く走っていますが、歯科用CTを用いることでその正確な位置を把握することができます。CT画像によってこれらの構造をはっきりと確認できれば、手術中の損傷を最小限に抑えることができるでしょう。
神経や血管にインプラントが触れてしまうと、神経麻痺や出血などの重大な問題が発生する可能性があります。このようなリスクを避け、安全な手術を行うためには、CT撮影での事前確認が不可欠です。
CT撮影なしでインプラント治療を行うリスク
CT撮影を行わずにインプラント治療を進めるリスクは大きいものです。最も懸念されるのは、噛み合わせの悪化や神経・血管の損傷。これにより、顎関節症や肩こり、頭痛といった身体的な不調に繋がる恐れがあります。
また、インプラント体が適切でない位置に埋め込まれることで、人工歯が安定せず、インプラントが早期に脱落する可能性も高まります。このように、術前に十分な情報を得ずに手術を進めることで、手術後のトラブルが増加するリスクがあるのです。
歯科用CTがある歯科医院での治療が安心!
歯科用CTが完備された歯科医院で治療を受けることで、手術前に詳細な検査が可能となり、これによって安全性が大きく向上します。CT設備がある歯科医院であれば、万が一のトラブル時にも迅速な対応を期待できるでしょう。
治療中や治療後のリスクを最小限に抑え、安心して治療を受けるためには、歯科用CTがあり、十分な環境が整っている歯科医院を選ぶことをおすすめします。
インプラントのCT検査にかかる費用相場
インプラント治療の前に行われるCT検査は保険が適用されないため、その費用は各歯科医院で異なります。
具体的には10,000~20,000円が一般的な相場とされています。部分的な撮影であればさらに安価になることもありますが、全顎撮影の場合は相場通りの料金がかかることが多いでしょう。
気になる「インプラント」と「MRI検査」について
「インプラントをしていたらMRI検査はできない」と耳にしたことはありませんか?インプラント治療後にMRI検査をすることになった際、気になる方も多いかもしれません。
そこでここからは、インプラントとMRI検査の関係性について解説していきます。インプラントの種類によってはMRI検査が受けられないケースや医師への申告、相談が必要になる場合もあるため、あらかじめ理解しておくことをおすすめします。
MRI検査とは
MRI検査は、磁力と電波を使って組織の詳細な画像を撮影するための医療検査です。レントゲンやCTとは異なり、放射線を使わずに内部組織の状態を明確に把握することができます。
特に内臓などのやわらかい組織の異常を調べるために非常に有用です。検査は長時間にわたることが多く、撮影中に大きな音がするため、患者様にとって負担が大きいことも考えられます。
インプラントの種類によってMRIを受けられない場合がある
歯のインプラント自体は通常のMRI検査に影響を与えることは少ないと言われていますが、以下のような場合には注意が必要です。
①インプラントオーバーデンチャー使用
インプラントオーバーデンチャーとは、顎の骨に埋め込んだ数本のインプラントに磁石で固定する入れ歯タイプの義歯です。この磁石がMRI装置の磁力に影響を与えるため、検査が制限されることがあります。
ただし、入れ歯に埋め込まれた磁石を事前に外すことで、MRI検査を受けることが可能です。検査後は磁石を再度取り付けて使用できるため心配する必要はありません。
②医療用インプラント使用
医療用インプラントとは、歯のインプラントとは異なり、心臓ペースメーカーや人工内耳、人工関節など、体内に植え込まれる医療機器を指します。
これらのインプラントは磁石に反応しやすく、MRI検査が禁止されるケースが多いようです。この場合、他の治療法を提案されるか、特定の条件下でのみ検査を受けることになります。
インプラントが理由でMRIやCT検査ができないと言われたら
もし歯のインプラントが原因でMRIやCT検査が受けられないと言われた場合、まずは担当の歯科医師に相談しましょう。
場合によっては、インプラントの上部構造を一時的に外すことや、チタン製の材料であることを伝えることで解決するケースがあります。MRIが受けられない場合や、受けていいかどうか不安を感じた際には、歯科医師や主治医と相談し適切な対応策を講じましょう。
インプラント治療や歯科用CTに関するよくある質問
最後に、インプラント治療や歯科用CTに関するよくある質問にお答えします。
歯科用CTにかかる費用はいくらですか?
歯科用CTの撮影費用はおおよそ10,000~20,000円程度です。費用は基本的に保険適用外となるため歯科医院によっても差があります。
ただ、特定の症例では保険が適用され、治療費が約3,000~4,000円に抑えられる場合もあります。保険適用が可能なケースには顎関節症や顎骨の病変などがありますが、一般的にインプラントや矯正治療には適用されません。
歯科用CTは安全ですか?被ばくの心配はありませんか?
歯科用CTにおける被ばく量は非常に少なく安全です。通常の医科用CTに比べると被ばく量が1/20から1/40と抑えられており、日常的な自然放射線の被ばく量と比較しても極めて低いと言えます。
被ばくのリスクを心配するよりも、CTの有効性を理解し、精密な診断を受けることの方が推奨されます。
歯科用CTでの検査時間はどれくらいですか?
歯科用CTの撮影自体は数分で済みますが、その後、画像の処理・確認に20分前後の時間が必要です。
インプラント治療後にMRI検査を受けても大丈夫ですか?
インプラント治療後でも、MRI検査は基本的に受けることができます。インプラントに使われるチタンは非磁性体であり、MRIの強力な磁場に影響を受けません。
しかし、一部のインプラントや歯科治療で使用される金属が、MRI検査に影響を及ぼす可能性があるという話もあるため、MRIの前に担当医に確認しておくと安心です。
インプラント治療後、CT検査は受けられませんか?
インプラント治療後も、CT検査は特に問題なく受けることが可能です。CT検査はX線を使用し、金属の影響を心配することなく撮影することができます。
撮影された画像に若干の影響が見られることがありますが、診断や検査には支障がありません。インプラントが適切に設置されていることを確認するためにも、定期的なCT検査で状態を確認しましょう。
インプラントをお考えなら、最新歯科用CT完備の高田歯科クリニックへ!
インプラント治療においては何より安全かつ精密な診断が重要です。それには本記事で紹介した歯科用CTが欠かせません。
信頼できる歯科医院で安心して治療を行うためにも歯科用CTなど、設備がしっかり整った歯科医院を選びましょう!
なお、当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、最新の歯科用CTを完備し、患者様のお気持ちに寄り添いながら、正確かつ安心の治療をご提供しております。
年間症例数850本以上という確かな実績と技術、そして安心して治療を受けられる環境を整えておりますので、インプラントに関するご相談やお悩みがありましたら、まずはお気軽に当院へご相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2024年10月10日