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【徹底比較】インプラント/ブリッジ/入れ歯の各メリット・デメリットや違い

【徹底比較】インプラント/ブリッジ/入れ歯の各メリット・デメリットや違い

歯を失った場合の治療法として、大きく分けてインプラント・ブリッジ・入れ歯の3つが挙げられます。

最近では天然歯とほとんど変わらない審美性や機能性を持つインプラントを選ぶ方も増えてきましたが、良い面だけを重視するのではなく、それぞれの治療法について詳しく理解しておくことが、最善の治療を選ぶうえで大切です。

そこで本記事では、インプラント・ブリッジ・入れ歯のメリットやデメリット、そしてそれぞれの違いについて詳しく解説していきます。どの治療法を選ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

-インプラント/ブリッジ/入れ歯の違い-
インプラント ブリッジ 入れ歯
手術の有無 外科手術あり なし なし
治療期間 半年~1年 数ヶ月 数ヶ月
審美面 天然歯とほとんど
変わらない美しさ
金属が目立つ
(保険適用の場合)
バネが目立つ
費用面 保険適用外
1本あたり
30~50万円
保険・自費含めて
5千円~20万円程度
保険・自費含めて
1万~50万円程度
噛む力 天然歯と変わらない 天然歯とほぼ同じ 天然歯より劣る
他の歯の影響 なし 両隣の健康の歯を削る必要あり バネをかける周囲の歯に負担がかかる
寿命 10年~15年以上 8~10年 5~8年

歯を失った場合の治療法は主に3つ

前述した通り、歯を失った場合の治療法には、インプラント・入れ歯・ブリッジの3つが挙げられます。

この3つの中から、失った歯の部位や患者様の口腔内や全身状態、生活環境、費用面など様々なことを考慮したうえで、治療法を選択しなければなりません。

自分にとって最善の治療法を選択し、納得した上で治療を受けられるよう、それぞれの治療法やメリット・デメリットを深く理解しておくことが大切です。

インプラントとは

インプラントは、歯を失った部分に人工的な歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。インプラントは天然歯と見た目や機能性が非常に似ており、周囲の歯や顎の骨に負担をかけないのが特徴として挙げられます。

また、チタン製のネジを使用し、顎の骨と結合することで、非常に高い安定性と耐久性を実現。定期的なメインテナンスにより、長期間にわたって使用することが可能です。

インプラントのメリット

インプラントの最大のメリットは、天然歯と同等の機能性と審美性が得られる点です。人工歯根がしっかりと顎の骨に固定されるため、ぐらつくことなくしっかりと咬合できます。これにより、食事や会話にも支障をきたしません。

また、インプラントは自立型の治療法なので、周囲の歯や顎骨に影響を与えることがなく、健康な歯を守ることができます。特に、将来的には自分の歯をできるだけ多く残したい方に向いている治療法と言えるでしょう。

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットとして、治療期間が長くなることが挙げられます。通常、手術後にインプラントと顎骨が結合するまで約3ヶ月から6ヶ月が必要です。

また、インプラント治療は自由診療であるため、治療費が高額になるのもデメリットの一つでしょう。さらに、健康状態によっては手術が受けられない場合もあり、また、定期的なメインテナンスが必要です。

ブリッジとは

ブリッジは、欠損した歯の両隣の健康な歯を削り、その上に連結した人工歯を固定する治療方法です。ブリッジは両隣の歯が残っていることが大前提となります。

この方法は外科手術を必要とせず、短期間で完了するため、費用を抑えたい方に向いています。

ブリッジのメリット

ブリッジのメリットは、取り外しの必要がなく固定されていることで、安定した咬合力が得られ、日常生活において実際の歯と近い感覚を持てることです。

また、治療期間も短く、保険適用されることが多いため、費用を抑えられます。外科手術が不要であるため、手軽に治療を受けることができるのも利点の一つと言えるでしょう。

ブリッジのデメリット

ブリッジを行う場合、たとえ健康な歯であっても両隣の歯を土台として利用するために削らなければなりません。

また、両隣の歯はこれまで以上に負担がかかりやすくなり、寿命が短くなる場合もあり、こうした点がデメリットとなります。

さらには、ブリッジと歯ぐきの間に汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になるケースも考えられます。顎骨が痩せてくることもあり、長期間の使用で見た目や機能を維持するのが難しくなることもあるでしょう。

入れ歯とは

入れ歯は、取り外し可能な義歯で、部分入れ歯と総入れ歯の2種類があります。

部分入れ歯は、クラスプと呼ばれる金属のバネで両隣の歯に固定されます。総入れ歯は、歯が全く残っていない場合に使用され、口の形に合わせた土台に義歯を配置する方法です。

入れ歯のメリット

入れ歯のメリットは、治療期間が比較的短く、保険が適用されることで費用を抑えられることです。取り外しが可能なため、お手入れが簡単で清潔を保ちやすく、調整も容易なためご高齢の方にも適しています。

また、外科手術を必要としないため、身体的・精神的負担が軽減され、高齢の方や骨が少ない方でも治療が可能です。

入れ歯のデメリット

入れ歯のデメリットとしては、噛む力が天然の歯に比べて劣ることが挙げられます。また、留め具をかける歯に負担がかかるため、健康な歯を痛める可能性があります。

さらに、総入れ歯の場合は口全体を覆うため味や温度が感じにくくなり、食事を楽しむことが難しくなる場合もあるでしょう。装着直後は痛みや違和感を伴うことがあり、適切に調整する必要もあります。

インプラント/ブリッジ/入れ歯の10の違い

インプラント、ブリッジ、そして入れ歯は、歯を失った際の代表的な補綴治療法ですが、それぞれに異なる特性があります。

これらの治療法における違いを理解することは、自分に最適な治療法を選択するための第一歩です。以下では、インプラント・ブリッジ・入れ歯の違いについて詳しくご紹介します。

治療方法

インプラントは、顎の骨に直接人工の歯根を埋め込むため、外科手術が必要です。この手術には、骨の密度に応じた追加の処置が含まれることもあります。

一方、ブリッジは周囲の健康な歯を削り、それを土台として義歯を固定しますので、外科手術の必要はありません。

入れ歯は患者の口腔に合わせて義歯を製作し、簡単に装着・取り外しが可能です。したがって、外科手術の負担がない点で、ブリッジと入れ歯は手軽な選択肢となるでしょう。

治療期間

インプラントの治療には通常6~12ヶ月と長い時間が必要で、その理由は、手術後にインプラントの骨との結合を待つ時間が含まれるためです。

ブリッジは1~2ヶ月で処置を完了することができ、入れ歯の製作も同様に短期間で可能です。

このように、インプラントは治療が完了するまでの期間が最も長く、ブリッジや入れ歯は比較的短期間で治療を完了することができると言えます。

審美性・見た目

審美性の観点では、インプラントが最も優れています。インプラントは、天然歯に非常に似た見た目を再現でき、非常に自然な印象を与えられる方法です。

一方、ブリッジも保険適用外の素材を選択すれば、美しい仕上がりにすることが可能。

入れ歯の場合、特に部分入れ歯では、固定用の針金が見えてしまうことがあり、審美性は他の2つの治療法に劣る傾向があります。しかし、選択肢には審美性を考慮したデザインも増えています。

機能性・使用感

機能性・使用感においては、インプラントが最も優れており、天然歯とほぼ同等の咀嚼力と発音の自然さを提供します。

一方、ブリッジは支えとなる歯に負担がかかるものの、適切に装着されればかなりの機能を持続できるでしょう。

また、入れ歯は異物感が強く、咀嚼力や話しやすさにおいて最も劣るとされています。特に、総入れ歯では使用感にも慣れが必要であり、固い食べ物の咀嚼には限界があります。

寿命

インプラントは、メインテナンスをしっかりと行えば10年以上、場合によっては20年近く使用することが可能です。

一方でブリッジは10年程度で徐々に劣化が始まり、欠ける・外れるといった状況に陥りやすくなります。また、汚れをも付着しやすくなることで虫歯の原因に。そのため、トラブルが起きる前に予防として定期的にやり替えが求められるでしょう。

入れ歯に関してはさらに寿命が短く、5~8年が一般的であり、3年ごとに新しいものに作り替えることが推奨されます。このように、寿命の面から見るとインプラントが最も長持ちする方法です。

他の歯への影響

インプラントは、周囲の歯を削る必要がなく、他の歯に負担をかけないのが大きな特長。人工の歯根であるため、咬合力を分散させられるためです。

これに対して、ブリッジは失われた歯の前後の健康な歯を削って土台にする必要があり、削られることでこれらの歯に負担がかかります。

入れ歯も同様に、部分入れ歯の場合は支柱となる歯にクラスプで負担をかけるため、支柱となる歯への影響が考えられます。したがって、周囲の歯に最も影響を与えにくいのはインプラントだと言えるでしょう。

費用面

インプラントは保険が適用されないため、費用は高額で1本あたり約30万~50万円程度が費用相場です。しかし、その長期的な使用の可能性を考慮すると、必ずしも高いとは言えないかもしれません。

ブリッジと入れ歯は保険適用が可能であり、比較的安価で治療を開始することができますが、自費診療になるとその費用はインプラントと同等になる可能性もあります。

保険と自費の両方を含めると、ブリッジは5千円~20万円、入れ歯は1万円~50万円程度が費用相場となっていますが、見た目や機能性を追求するとこの価格以上になることも稀ではありません。

起こりやすいトラブル

インプラント治療は外科手術を伴うため、手術中に神経や血管を損傷するリスクがあります。また、治療後にインプラント周囲炎というトラブルが起こることも否めません。

ブリッジは土台の歯が虫歯や歯周病になりやすく、その結果としてブリッジが破損することがあります。

入れ歯の場合、クラスプが破損することやフィット感が合わなくなることがあるため、定期的に調整が必要となります。入れ歯が合わない場合は、歯茎に痛みや腫れが生じたり、会話や食事が不便になることも。

このように、それぞれの治療法にはトラブルが生じる可能性があることを理解しておきましょう。

健康面

インプラントは、適切なメインテナンスを行えば、周囲の歯や顎の骨に対する悪影響はほとんどありません。しかし、メインテナンスを怠るとインプラント周囲炎になることがあります。

ブリッジは両隣の歯を削って土台にするため、健康な歯に負担がかかり、骨吸収が進むことがあります。入れ歯も同様で、部分入れ歯は土台となる歯に負担を与え、骨の吸収が進みやすくなることは避けられません。

結果として歯の寿命や骨の健康に影響を与える可能性があるため、選択には注意が必要です。

メインテナンス

インプラントは日常的な歯磨きでメインテナンスが可能で、天然歯と同じケア方法が適用できます。一方でブリッジは食べかすが詰まりやすいため、専用の清掃用具が必要です。

また、入れ歯は義歯を外して義歯用ブラシや洗浄剤による清掃が必要で、毎食後に外して清掃しなければなりません。このように、それぞれの治療法には異なるメインテナンス方法があります。

なお、どの治療法に関してもご自宅での日常的なケアに加え、定期的な歯科医院でのメインテナンスが欠かせません。プロによるクリーニングとともに、定期的な口腔内のチェックで少しでも長く使用できるよう心掛けましょう。

歯を失った場合、どの治療方法が適している?

前述した通りそれぞれの治療法にはメリット・デメリットがあります。3つの治療法の中から、個々のライフスタイルや健康状態、経済状況などを考慮した上で選択することが重要です。

ここでは、どんな方にどの治療方法が適しているのかを解説していきます。

インプラントがおすすめの方

インプラントは天然歯とほぼ変わらない見た目や機能性を求める方に最適です。見た目や噛む力を重要視する方や、健康な歯を削りたくない方にとって、インプラントは自然な選択となるでしょう。

健康な顎骨を持っている方や、しっかりと通院ができる方にも向いています。インプラントは長期的に使用可能。

治療期間は比較的長めですが、その後の寿命も長いため、長い目で見て健康を維持し、快適な生活を送りたいと考える方はインプラントを検討してみてください。

ブリッジがおすすめの方

ブリッジは審美性や耐久性よりも、治療費用の低さを重視する方に向いています。歯を失った際の治療として、ほどほどの寿命と機能性を求める方には適しています。

治療期間が短く、長期的な通院が難しい方や、隣接する歯を利用できる方にはこの選択肢が有効になるでしょう。また、恐怖心や身体的負担から外科手術を避けたいと考える方にもおすすめです。

また、短期間で治療を終えたい方や、費用を抑えたい方にとって適した方法となるでしょう。ただし、隣接する歯にある程度の負担がかかることを理解した上での選択をおすすめします。

入れ歯がおすすめの方

全ての歯を失っている方や、限られた予算で治療を考えている方には入れ歯が適しています。義歯が使えなくなった際に再治療可能な方も、この方法を選択すると良いでしょう。

また、インプラントやブリッジができない方、短期間で治療を完了したい方にも入れ歯はおすすめです。審美性や機能面では少し劣るかもしれませんが、治療費用を抑えつつ気軽に歯を復元したい場合には非常に有効な選択肢と言えます。

さらに、外科手術を避けたい方にも安心して選べる治療法です。長期間の通院が難しい方にとって、入れ歯はそのニーズに応えてくれるでしょう。

一番良くない選択肢は「放置」

歯を失った後、日常生活において不便なく過ごせると思い、放置する人も少なくありません。ただし、放置はさまざまなリスクを伴います。

今は良くても長い目で見たときに、歯を失った状態を放置することは良い選択とは言えず、口腔内や全身状態に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

歯を失って放置することのリスク・危険性

歯が失われた状態が長く続くと、周りの歯がその部分を埋めようとして倒れ込んできたり、向かい合いの歯が伸びてきたりして、噛み合わせや歯並びが乱れることがあります。

すると、清掃が上手く行き届かず虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。また、残っている歯にも負担がかかりやすくなります。

さらに、噛み合わせや歯並びが乱れてしまった後に治療を検討する場合、被せ物を入れるスペースがないことで別で追加の治療が必要になるケースもあります。こうしたリスクを回避するためにも、歯を失った後の治療は早目に判断するようにしましょう。

【すぐ分かる比較表!】インプラント/ブリッジ/入れ歯の違い

インプラント・ブリッジ・入れ歯の違いを表にまとめてみました。

インプラント ブリッジ 入れ歯
手術の有無 外科手術あり なし なし
治療期間 半年~1年 数ヶ月 数ヶ月
審美面 天然歯とほとんど
変わらない美しさ
金属が目立つ
(保険適用の場合)
バネが目立つ
費用面 保険適用外
1本あたり
30~50万円
保険・自費含めて
5千円~20万円程度
保険・自費含めて
1万~50万円程度
噛む力 天然歯と変わらない 天然歯とほぼ同じ 天然歯より劣る
他の歯の影響 なし 両隣の健康の歯を
削る必要あり
バネをかける周囲の
歯に負担がかかる
寿命 10年~15年以上 8~10年 5~8年

あなたに合った治療法は迷わず歯科医院へご相談!

本記事では歯を失ってしまった場合の治療法である、インプラント、ブリッジ、入れ歯について解説してきました。それぞれにメリットやデメリットがあるため、それを考慮することが大切です。

また、どの治療法を選ぶかは失った歯の箇所や本数、顎の骨の状態、生活環境、費用面、そして患者様の希望によっても異なるため、歯科医師とよく相談し、ご自身のライフスタイルに合った治療法を選ぶことが大切です。

「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、患者様の口腔内や希望に合った治療方法をご提案しております。自分に合った治療法について迷われる方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2025年1月7日