オールオン6のメリット・デメリットは?治療期間や費用も解説!
インプラントは聞き慣れた治療法かと思いますが、「オールオン6」はご存知でしょうか?実は「オールオン6」もインプラント治療の1つで、歯が全く残っていない方を対象とした魅力的な治療法です。
今回はその「オールオン6」について、治療の仕組みやメリット・デメリット、治療期間や費用について詳しくご紹介していきます。
「失った歯の本数分インプラントをすると莫大な費用がかかりそう・・・」、「歯が全くないと、総入れ歯しか方法がないのかな・・・」と悩まれている方にぴったりな治療法です。ぜひ最後までご覧ください。
-オールオン6のメリット-
- 顎の骨が少ない・薄い方でも手術可能
- 身体への負担が少ない
- 治療費を抑えられる
- 仮歯を手術当日に入れることも可能
- ズレたり外れたりしない
- しっかり噛める
-オールオン6のデメリット-
- 外科手術が必要
- 総入れ歯に比べると費用がかかる
- 治療できる歯科医院が限られる
オールオン6(All-on-6)とは
オールオン6とは、歯が全くない場合に用いられるインプラント治療のことを指します。
失った歯の本数分インプラントを1本1本埋め込むのではなく、上顎または下顎の歯の一列すべてを6本のインプラントで固定し、連結した12本分の人工歯(被せ物)を支える治療法です。
オールオン6の仕組み・治療の流れ
オールオン6は、6本のインプラントを顎の骨に埋入し、その上に連結した12本の人工歯(かぶせ物)が一体となった装置を取り付けて支える仕組みです。
ここからは、オールオン6の治療の流れについて解説します。
①カウンセリング・検査
患者様の既往歴や持病、インプラント手術にあたってのご要望などを伺います。
その後、レントゲンやCT撮影を行い、顎の骨の状態を確認します。
②治療計画
カウンセリングと検査結果を元に、担当の歯科医師が治療計画を立て、患者様に説明します。
③埋入手術
歯茎を切開し、インプラント埋入手術を行います。
オールオン6では、6本のインプラントで連結した12本分の人工歯を支えることになるため、角度をつけて埋入します。的確な位置に埋入する必要があるため、サージカルガイド(インプラント用のマウスピースのような装置)を使用します。
インプラント埋入後、インプラントと人工歯をつなぐアバットメントを装着して埋入手術は終了です。
④結合期間(インプラントと顎骨の結合)
手術後、インプラントが顎の骨に結合するのを待つため、約3~6ヶ月程度期間を置きます。
⑤最終的な固定式義歯の装着
インプラント体と顎の骨が結合したことを確認し、人工歯(被せ物)を装着します。被せ物を装着し、噛み合わせなどの最終の調整を行います。
オールオン6の治療期間の目安
インプラント手術は入院の必要がないため、その日のうちにインプラント埋入からアバットメント(インプラントと人工歯をつなぐ土台)まで装着し、仮歯をつけた状態でお帰りいただけます。
その後、インプラントと顎の骨が結合するのを待つため、約3~6ヶ月程度期間を置く必要があり、結合できたのを確認できたら最終的な人工歯(被せ物)を装着します。
そのため、骨の結合などによって前後しますが、治療期間は約半年程度が目安です。
オールオン6にかかる費用
費用の相場として、片顎で約230万~500万円になるケースが多いでしょう。
ただし、この費用はあくまでも目安であり、患者様の口腔内や顎の骨の状態など、精密な検査をした上で施術内容や費用が異なる場合があります。
そのため、治療を希望される歯科医院にて事前に相談してみてください。
歯が残っている場合のオールオン6治療
オールオン6は、歯が全てない状態でないとできない治療法です。
そのため、天然歯が残っている場合、たとえ健康な歯であっても事前に抜歯する必要があります。
オールオン4とオールオン6の違い
オールオン6は6本のインプラントを埋め込み、それを土台として人工歯を支えるとお伝えしましたが、オールオン4は埋め込むインプラントの本数が4本の場合のことを言います。
オールオン4の場合、オールオン6よりも少ない本数で行えるという部分ではメリットですが、顎の骨の状態によっては本数が少ないことで強度や安定性が低くなる場合もあるため、どちらの方法が適しているのかは歯科医院への相談が必要です。
総入れ歯とオールオン6の違い
総入れ歯とオールオン6の違いは以下の通りです。
日常生活
オールオン6は顎の骨としっかり固定されているため、噛む力は天然歯とほぼ変わりません。また、食べ物の温度を今まで通り感じられたり、違和感無く発音できたりするため、食事や会話をストレスなく楽しめるでしょう。
一方、総入れ歯の噛む力は天然歯の約50%以下と言われており、固定力が弱いことで違和感があります。そのため、食事がしにくい、外れやすいなどの不具合が起きやすいのが懸念点です。
費用面
オールオン6は保険適用外のため、保険適用の総入れ歯に比べると、費用が高くなります。
今後の顎の骨の状態
オールオン6は安定性が高くしっかり噛むことができるため、顎の骨が痩せにくい特徴があります。
一方、総入れ歯は使用しているうちに噛み合わせのバランスが崩れやすく、顎の骨が痩せる傾向にあります。
オールオン6(All-on-6)のメリット
オールオン6は最小限の本数でインプラント治療ができるため、費用や身体への負担が少ないなど、様々なメリットがあるのも魅力の一つです。
メリットをより具体的にご紹介していきます。
顎の骨が少ない・薄い方でも手術可能
オールオン6では、顎の骨が少ないことで通常のインプラントでは難しいと言われるケースでも、骨造成をせずに治療することが可能です。
また、糖尿病や持病がある方でも手術ができる場合もあります。
身体への負担が少ない
通常のインプラントは1本の歯に対して1本のインプラントを埋入するため、上顎もしくは下顎全体をインプラントにする場合、12本分の手術が必要になります。
しかし、オールオン6は6本の埋入で済むため、治療における患者様の身体への負担を大幅に軽減することが可能です。
治療費を抑えられる
失った全ての歯に対して、6本のインプラントで済むため、1本1本インプラントを埋入するよりも単純計算で費用を抑えることができます。
失った歯の本数が多いことで費用面に悩まれていた方にとって、魅力的な治療法と言えるでしょう。
仮歯を手術当日に入れることも可能
一般的なインプラント治療の場合、インプラント体と顎の骨が結合するまでの3~6ヶ月の間は歯がない状態で過ごさなければなりません。
それに対してオールオン6の場合、インプラント手術をした日に仮歯を入れることが可能です。そのため、見た目や食事のストレスを軽減することができます。
ズレたり外れたりしない
総入れ歯は粘膜に吸着させて安定性を保つため、どうしてもズレたり、外れやすくなったりします。
そうすると、痛みや違和感が現れやすくなり、食事や会話にもストレスを感じやすくなります。その反面、オールオン6はインプラントによってしっかりと固定されるため安定感があり、ズレたり外れる心配がありません。
しっかり噛める
総入れ歯では、天然歯と比べると50%以下の力でしか噛むことができません。
しかし、オールオン6であれば、人工歯(被せ物)がインプラントとしっかり固定されるため、天然歯とほぼ変わらない感覚で噛むことができます。
オールオン6(All-on-6)のデメリット
メリットがある一方で、オールオン6にはデメリットもあるため、その点もしっかり把握した上での治療が必要です。
外科手術が必要
オールオン6は、通常のインプラント手術と同様の流れで手術を行います。
そのため、歯茎を切開したり、顎の骨にドリルで穴を開けたりと、インプラントを顎の骨に埋め込むなどの外科手術が必須です。
総入れ歯に比べると費用がかかる
オールオン6は通常のインプラント治療と同様、保険適用外(自費診療)の治療です。
歯がない部分にインプラントを1本1本埋め込むよりも費用が抑えられるものの、インプラント6本分の費用は必要になるため、保険適用の総入れ歯に比べると、費用が高くなります。
治療できる歯科医院が限られる
オールオン6は精密な検査のもと特殊な技術を使用した治療が必要です。そのため、どの歯科医院でも手術ができるわけではありません。
また、手術を成功させるためには担当する歯科医師の技術や経験も非常に大切。治療を検討されている方は、適切な歯科医院・歯科医師選びを心がけましょう。
オールオン6はこんな方におすすめ!
- 歯を失ってしまった方、またはほとんどの歯を失っている方
- 総入れ歯が合わずに困っている方
- 顎の骨の問題で通常のインプラントが難しいと言われた方
- しっかりと噛む機能を早く取り戻したい
- 通常のインプラントでは費用面で心配な方
歯を全て失ってしまった方、またはほとんどの歯を失っている方
歯を全てもしくはほとんど失ってしまったら、「総入れ歯しか方法がないのかな・・・」「インプラントだと本数が多くて費用面が心配」と思われている方も多いのではないでしょうか。
オールオン6であれば、「通常のインプラントよりも少ない本数で治療を受けられる」「総入れ歯にする必要がなくなる」といったメリットがあることで、歯が全くない方にとって様々な負担を抑えることができます。
総入れ歯が合わずに困っている方
「顎の骨に当たって食事をするたび痛い」「入れ歯がズレることで歯茎が擦れて痛い」、「口を開けるたび外れる」など、悩んでいらっしゃる方も多いかもしれません。
オールオン6は人工歯がしっかり固定され、安定するのが特徴なため、ストレスのない生活を送りたい方にぴったりです。
顎の骨の問題で通常のインプラントが難しいと言われた方
通常のインプラントの場合、顎の骨の量が少ないとインプラントと骨の結合が上手くいかないため、治療ができないケースがあります。
しかし、オールオン6は骨量の多い箇所を選んで6本のインプラントを埋入していくため、顎の骨の量が少なくても手術することが可能です。
しっかりと噛む機能を早く取り戻したい方
オールオン6は、インプラントと人工歯がしっかりと固定することで安定性を保つため、天然歯とほぼ変わらない噛み心地で違和感なく噛むことができます。
また、手術当日に仮の歯まで装着できるため、その日のうちから食事をすることも可能です。
通常のインプラントでは費用面で心配な方
通常のインプラント治療では、歯を失った部分に1本1本インプラントを埋入していくため、その分の手術代などを含めると、莫大な費用がかかります。
しかし、オールオン6は、6本という半分の本数で全ての歯を補うことができるため、費用も抑えられます
「インプラント オールオン6」に関するよくある質問
最後に、オールオン6に関するよくある質問にお答えします。
総入れ歯からオールオン6に変えられますか?
結論から申し上げると、総入れ歯からオールオン6への変更は可能です。
総入れ歯は、噛みにくい、お手入れが大変、ズレる、歯茎や骨に当たって痛いなどの不具合が多く、悩みを感じていらっしゃる方も多いかと思います。
オールオン6はインプラント治療のため、外科手術が必要になりますが、入れ歯の煩わしさから解放され、食べることや会話をすることの楽しさを味わっていただけるでしょう。
オールオン4とオールオン6の違いはなんですか?
オールオン4とオールオン6との大きな違いは、インプラントを埋入する本数です。
オールオン4は4本、オールオン6は6本というように本数が異なります。患者様の顎の骨の状態によってどちらが最適か異なるため、歯科医院での相談のうえ、治療が必要となります。
また、埋入する本数によって、費用や治療期間なども大きく異なるため、その点も考慮した上での治療がおすすめです。
通常のインプラントだと上顎だけでいくらかかりますか?
通常のインプラント治療をすると、上顎だけで10本~12本のインプラントを埋入する必要があります。インプラント治療は自費診療のため、歯科医院によって費用は異なりますが、1本当たりの費用相場を30~40万円と想定すると、12本で約360~480万円程度となります。
あくまでこの費用は相場となりますので、インプラント治療を検討される歯科医院で確認してください。
オールオン6は保険適用ですか?
オールオン6は、一般的なインプラント治療と同様、完全自費診療(保険適用外)となります。
なお、具体的な費用は歯科医院によって異なるため、治療前に必ず確認しましょう。
インプラントや歯に関するお悩みがあれば高田歯科クリニックへ!
オールオン6は、歯が全くないもしくはほとんどない方にとって、費用や身体への負担を抑えることのできる魅力的なインプラント治療の一つです。
ただし、デメリットや適正条件を知っておくことも治療を行う上では欠かせません。当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、患者様のお口の状態やお考えに合わせて最適な治療法をご提案させていただきます。
「総入れ歯しか方法はないのかな・・・」、「インプラントだと費用が心配」などお悩みの方はお気軽にご相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2024年8月6日