インプラント書籍執筆の院長が丁寧にご相談にのります

院長 高田 徹

お電話でお問合わせ

03-3393-4182

インプラント治療で起こり得る神経損傷の症状や原因と、その治療法

インプラント治療は外科手術が必要になるため、リスクを伴います。その中でも避けたいのが神経損傷です。歯や顎周りには様々な神経が通っており、手術の際に傷つけてしまうと、痛みや痺れが長く続き、最悪の場合改善が難しいことも考えられるため、手術に対して不安を感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、インプラント治療で神経損傷が起こる原因やその症状について詳しく解説します。もし、神経が傷ついてしまったときの治療法についても併せてご紹介するため、安心して治療を受けるためにもぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

  • インプラント治療で神経損傷が起こる可能性のある神経は「下歯槽神経」「舌神経」「眼窩下神経」の3つ
  • 神経損傷による症状は、痛み、麻痺、痺れ、神経障害性疼痛
  • 神経損傷のミスが起こる主な原因は、事前検査や診断、手術ミスなど歯科医院によるもの
  • 神経損傷が起きた場合は、早期発見・早期治療で改善が期待できる
  • インプラント手術後数日間は、腫れやあざ、頬の痺れがあるのは一般的

神経損傷を防ぐために患者様にできること

  • 最新設備が整っており、検査をしっかり行う歯科医院を選ぶ
  • インプラントの治療経験が豊富な歯科医師を選ぶ
  • 万が一に備えて、保証やアフターケアを事前に確認しておく

インプラント治療で神経損傷が起こる可能性のある神経

歯や顎を取り巻く神経は多数存在しますが、インプラント治療において神経損傷が起こる可能性がある神経は以下の3つです。

  • 下歯槽神経(かしそうしんけい)
  • 舌神経(ぜつしんけい)
  • 眼窩下神経(がんかかしんけい)

下記では、それぞれの神経について、どの部分に位置しているのか、どんな神経トラブルが起きる可能性があるのかなど、一つずつ解説します。

下歯槽神経(かしそうしんけい)

下歯槽神経は、下顎の奥歯から耳の近くまで走行し、下唇や顎全体の皮膚感覚を司る重要な神経です。この神経は下顎管という骨の中に位置し、インプラント手術や親知らずの抜歯の際に損傷されるリスクが高いとされています。

損傷すると、顎や下唇の麻痺を引き起こします。これは下歯槽神経麻痺と呼ばれ、手術中には神経を傷つけないよう細心の注意を払わなければなりません。特に下顎のインプラント手術では、神経の位置を術前に把握し、適切な手術計画を立てることが求められます。

舌神経(ぜつしんけい)

舌神経は、舌の前方3分の2の触覚や味覚を司る神経です。この神経は、下顎骨の裏側を通り、口の底を経由して舌に分布します。そのため、下顎のインプラント手術の際には特に注意しなければなりません。

なお、この舌神経の損傷により、舌の前方の感覚が失われたり味覚が変化したりすることがあります。術前に詳しい検査を行い、術中に神経を保護するための慎重な処置が重要です。

眼窩下神経(がんかかしんけい)

眼窩下神経は上顎神経の枝の部分で、上顎のインプラント手術で損傷するリスクがありますが、その可能性は比較的低いとされています。この神経は上顎、頬、鼻の側面、下眼瞼の感覚を司ります。

損傷するリスクは低いとされているものの、上顎のインプラント治療は、より難易度が高く歯科医師の技術力が問われるため、信頼できる歯科医院選びを心がけましょう。

インプラント治療による「神経損傷」の症状

インプラント治療によって神経損傷が起こったら、具体的にどのような症状が現れるのか知っておく必要があります。これは、早期に症状に気付けることで早期治療ができ、症状改善につながる可能性も高まるからです。

下記では、神経損傷によって起こり得る症状を一つずつみていきましょう。

痛み

神経損傷は、特定の箇所に持続的または悪化する痛みを引き起こします。通常、インプラント手術後には一時的な痛みや出血が見られますが、これらは通常数日以内に収まります。

しかし、神経損傷がある場合、痛みが何日経っても引かず、さらに悪化することがあるでしょう。このような痛みは早期の診断と治療が必要です。

麻痺

通常、手術後の麻酔が切れることで感覚は回復しますが、神経損傷がある場合は、感覚が失われたままで、麻酔が効いたような状態が続くことがあります。この感覚の喪失は、日常生活に影響を及ぼす可能性があり、早期治療が求められます。

長期間の麻痺がある場合は、早めに診察を受けるようにしましょう。

痺れ

インプラント手術後、下唇や舌、顎の周辺に痺れを感じる場合があります。痺れはピリピリとした感覚を伴い、触れた時の感覚が鈍くなる、もしくは全くなくなってしまうこともあります。

症状の持続や悪化が見られる場合は、歯科医の診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。

神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)

神経障害性疼痛とは、神経の損傷により引き起こされる慢性の痛みで、ピリピリとした不快感や熱いもの・冷たいものへの異常な過敏反応を特徴とします。

また、火傷をしたような熱さを感じる灼熱痛や強い痛みが現れることもあり、生活の質を大きく低下させる要因となるでしょう。少しでも不快に感じることがあれば早めの診察と治療が必要です。

インプラント治療による神経損傷ミスが起こる原因

インプラント治療で神経損傷ミスが起こる原因は、歯科医師の技術不足や歯科医院の不注意によるものが多くあります。歯科医師に委ねることは大切ですが、リスクが伴うことも理解しておく必要があるでしょう。

主に、神経損傷ミスが起こる原因は下記の2つが挙げられます。

  • 治療前検査の誤り
  • 手術ミス(歯科医師の経験・技術不足)

治療前検査の誤り

インプラント治療においては、事前にCT検査を行い、歯や骨の状態を精密に把握することが重要です。この検査により、神経や血管の正確な位置を把握でき、安全なインプラントの埋入位置を決定することが可能です。

しかし、CT検査による診断が不確実である、あるいは全く検査が行われないまま手術が進められる場合、神経損傷のリスクは高まるでしょう。

手術ミス(歯科医師の経験・技術不足)

インプラント手術中、神経損傷の多くは骨を削るドリルの操作ミスによって引き起こされます。特に経験の浅い歯科医師による操作では、ドリルが神経に近づきすぎたり、誤って当たってしまったりする場合があるかもしれません。

また、インプラントの埋入位置や角度が不正確であると、神経が直接圧迫されたり損傷を受けたりする可能性があります。

神経損傷の場合の主な治療法

神経損傷の治療には、早期発見と適切な処置が求められます。そのため、少しでも損傷が疑われるような症状がある場合には、すぐに歯科医院を受診しましょう。

神経損傷の場合の主な治療法は、下記の5つが挙げられます。

投薬治療

投薬治療では、ビタミンB12やステロイドホルモンが使用されることが多く、これらは神経の回復を促進する効果があります。ビタミンB12は神経の再生を助け、ステロイドホルモンは炎症を抑えることで神経の保護を図ります。

ただし、投薬のみで劇的な改善を期待するのは難しいため、他の治療法と組み合わせて行われるでしょう。

神経縫合・神経移植

神経が物理的に切断されている場合、この損傷を治療するために神経縫合や神経移植を行わなければなりません。この手術は通常、神経が切れてから時間が経つと難しくなるため、迅速な対応が求められます。

神経が断裂している場所を特定し、縫合を行うことで神経のつながりを回復し、移植により機能を補います。これによって、神経機能が回復する可能性が高まり、麻痺の改善を促すことができるでしょう。

インプラントの撤去・再手術

インプラントの配置が神経に影響を及ぼしている場合、まずそのインプラントを一旦撤去しなければなりません。インプラントが神経を圧迫していることが麻痺の原因だと考えられる場合には、インプラントを取り除くことで症状が改善する可能性があります。

症状が改善されたら、改めてインプラントの再設置が検討されるでしょう。再設置時には、より適切な位置と角度で埋入することが求められます。

神経ブロック治療

神経ブロック治療は局所的な麻酔薬を用いて神経の緊張を和らげ、症状を改善する手法です。交感神経に麻酔薬を注入し、血液循環を良くすることで神経の回復をサポートします。

この治療法は、軽度の神経損傷のケースで特に効果的とされています。

レーザー照射

レーザー照射は、温熱効果によって神経損傷がある部位の血行を促進し、さらに細胞の再生を支援する先進的な治療法です。

レーザー治療は、他の治療方法と組み合わせて使用されることが多く、それによって神経機能の改善が見込まれるでしょう。

神経損傷ではない可能性が高いインプラント手術後の症状・ケース

インプラントは外科手術を伴うため、手術後は痛みや出血、腫れなどの症状が現れるのは普通のことです。しかし、神経損傷によるものか、そうでないかの判断をご自身ですることは難しいかもしれません。

ここからは、神経損傷ではない可能性が高いインプラント手術後の症状やケースについて解説します。手術後も安心して過ごせるよう、事前に理解を深めておきましょう。

腫れやあざ、膿が出る

インプラント手術後、患部に腫れやあざができることは一般的で、これは外科手術に伴う自然な反応です。特に手術の範囲が広い場合や服用中の薬によっては、こうした症状が顕著に現れることがあるでしょう。

腫れやあざは通常数日以内に軽減するので、過度に心配する必要はありません。しかし、膿が出る場合には細菌感染の可能性が考えられるため、早急に歯科医院での診察が必要です。手術後は、施術部位の清潔を保ち、処方された薬を正しく服用することが重要です。

一時的な頬の痺れ・麻痺

インプラント手術後に一時的な頬の痺れや麻痺を感じることがありますが、これは主に麻酔の影響や手術中の神経刺激によるものである可能性が高いと言えます。ほとんどのケースでは、これらの症状は時間の経過とともに改善されていきます。

痺れや麻痺が続く場合には、埋め込まれたインプラントが神経を圧迫している可能性もあるため、歯科医に相談し適切な検査を受けるようにしましょう。

症状の改善が見られるケース

手術後に現れる痛みや痺れが時間の経過とともに改善していく場合は、神経損傷ではないことが多いため、過度に心配する必要はありません。

インプラント手術後に起こる軽度の痛みや違和感は、手術部位の回復過程の一環であるため、安静に過ごすことを大切に、正常な状態へ戻ることを待ちましょう。

インプラント手術で神経損傷を防ぐために患者様にできること

インプラント手術において神経損傷のリスクを最小限に抑えるためには、患者様ご自身が事前にしっかりと情報を把握し、適切な歯科医院を選ぶことが重要です。以下では、歯科医院を選ぶポイントについてご紹介します。

最新設備が整っており、検査をしっかり行う歯科医院を選ぶ

インプラント治療の成功には最新設備の有無が大きく影響します。特に神経損傷のリスクを減らすために欠かせないのが歯科用CTです。この機器を用いることで、神経の位置を三次元で正確に把握し、安全な手術計画を立てることが可能になります。

歯科医院のホームページや口コミで設備が整っているか確認し、安全でリスクの少ないインプラント手術を受けるための情報を集めましょう。

インプラントの治療経験が豊富な歯科医師を選ぶ

インプラント治療において、経験豊富な歯科医師の選択は手術成功率に直結します。経験豊富な医師ほど過去の症例から得たノウハウを活かし、その患者に最適な治療計画を立てることができます。

医院のホームページで過去の症例や資格などを確認し、症例数の多さや専門性の高さを確認するようにしましょう。また、医師とのカウンセリングを通じて、寄り添う姿勢や説明の丁寧さなどを感じ取ることも重要です。不安なく治療を進めるためにも、経験や人柄を見極めましょう。

万が一に備えて、保証やアフターケアを事前に確認しておく

インプラント治療は一度きりの手術ではなく、その後のアフターケアも非常に重要です。治療後に問題が生じた場合の保証やアフターケアについて事前に確認しておくことで、万が一のトラブルにも安心して対処することが可能になります。

インプラント治療後のメンテナンスや保証内容については、カウンセリングの際にしっかりと確認し、質問に対する説明が明確であるかも確認してください。インプラント治療を安心して受けるためには、長期にわたって信頼できる関係を築ける歯科医院を選ぶことが大切です。

「インプラント 神経」に関するよくある質問

インプラント治療を受けるにあたって、神経損傷のリスクがあることで不安に感じる方も多いと思います。ここでは、インプラントと神経の関係や手術による神経損傷のリスクに対するよくある質問にお答えいたします。

インプラント治療で神経が損傷する確率はどのくらいですか?

厚生労働省から出された資料によると、インプラント治療で神経が損傷する確率は、0.13~8.5%と幅広いものです。この結果は、下歯槽神経の麻痺に限られた数字ですが、決して低い結果とは言えません。

そのため、神経が損傷するリスクをしっかりと理解しておく必要があり、このリスクを最小限に抑えるためにも、信頼できる歯科医院選びが重要です。

参照:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」 歯科インプラント治療のためのQ&A

インプラントで下歯槽神経が麻痺するケースはありますか?

下歯槽神経は、下顎の骨の中を走っており、特に下顎のインプラントの手術の際に誤って傷つけてしまうことで麻痺するケースがあります。下唇や顎全体の感覚を司る部分のため、神経損傷が起きると、麻酔が効いているような麻痺が残るでしょう。

神経損傷が起きる原因としては、治療前の検査や診断が不適切であることや歯科医師の技術不足などが考えられるため、歯科医院選びではこれらに気を付けて判断することが大切です。

インプラントは神経を抜くのですか?

インプラントは、すでに歯を失っている部分を人工歯根と人工歯で補う治療法です。治療の際は人工歯根を埋めるために骨を削ることが必要ですが、周りに存在する神経や健康な歯の神経を抜くことはありません。

インプラント手術における神経損傷を回避!信頼できる歯科医院選びを!

インプラント手術では、精密な検査や正確な治療計画などをもとに安全な治療を行っている歯科医院がほとんどですが、もちろんリスクも伴います。中でも、神経損傷は麻痺などの後遺症につながりかねない避けるべき重大なトラブルと言えるでしょう。

そのような事態を回避するためにも、事前に医院のホームページを確認したり、実際に足を運んでカウンセリングを受けたりするなど、信頼のできる歯科医院を慎重に選ぶことが重要です。

インプラント治療について不安や気になることがあれば、ぜひ一度「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」へお気軽にご相談ください。

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2025年4月2日