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院長 高田 徹

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インプラントができないと言われたときに考えられる8つの理由と対処法

失った歯を補う治療として選ばれることが増えてきたインプラントですが、実は誰しもができる治療ではないため、歯科医院によっては「できない」と断られるケースがあるのも事実です。

とはいえ、インプラントができないケースの多くは、「“このままでは”インプラントはできない」というもの。歯科医院や治療次第でインプラントができるようになることもあります。

本記事では、インプラントができないと断られてしまった時に考えられる理由と、治療を可能にする対処法をご紹介していきます。

-インプラントができないと言われたときに考えられる理由-
  • 理由① | 顎の骨が薄い・少ない
  • 理由② | 虫歯・歯周病がある
  • 理由③ | 持病がある・健康状態に問題がある
  • 理由④ | 年齢が若い(20歳前後)
  • 理由⑤ | 妊娠中の方
  • 理由⑥ | 歯並びが悪い・歯列矯正を検討中の方
  • 理由⑦ | 喫煙習慣がある
  • 理由⑧ | 難しいと断られた

ぜひ最後までご覧ください。

インプラントができないと言われたときに考えられる理由とその対処法

インプラントにはさまざまなメリットがあり、年々選ぶ方も増えています。ただ、インプラント治療では高額な専用の機材や設備、外科手術をする歯科医師の経験や技術が必要となります。

そのため、すべての歯科医院で必ずしもインプラント治療を受けられるわけではありません。つまり、どこでも誰でもできる治療法ではなく、当然断られるケースがあるのです。

どんなケースにおいてインプラント治療ができないと言われる可能性が高いのか、できないと言われる理由やその対処法紹介をご紹介していきます。

理由① | 顎の骨が薄い・少ない

インプラントは、インプラント体を顎の骨に埋め込む治療法です。このインプラント体をしっかり固定するには、支えるための顎の骨の量や厚みが必要となります。そのため、顎の骨が薄かったり、骨量が少なかったりする場合はインプラント治療ができないことがあります。

もし顎の骨が薄く、少ない状態で無理にインプラント手術を行ったとしても、インプラント体が顎の骨にうまくくっつかず、失敗に終わってしまう可能性が高いのが現状です。

特に前歯の顎の骨は奥歯と比べて薄いことから、少し骨が吸収されているというだけで、インプラントができないと判断されるケースが多いでしょう。

対処法 | 骨造成などの治療を行う

顎の骨が薄い・少ない場合、インプラント手術の前に骨量を増やすための「骨造成」や「骨移植」の手術を行い、骨を増やすことでインプラントができるようになるケースも多くあります。

骨が痩せてしまった部分や薄すぎる場所に必要な骨を足すことで、インプラントの埋入のための十分な骨量を確保します。

ただし、通常のインプラントを埋め込む手術よりも大がかりな手術が必要です。また、骨造成・骨移植ができる技術と経験のある歯科医師の下でしか治療を受けられないため、歯科医院選びも重要となります。

理由② | 虫歯・歯周病がある

もし虫歯や歯周病がある場合、インプラントの埋入時に細菌感染を起こす可能性が高くなるため、インプラント治療を断られることがあります。

細菌感染したインプラント体は顎の骨とうまく結合できないため、インプラント治療ができないと判断される場合があるのです。

またもし埋入がうまくいったとしてもインプラント周囲炎(インプラントの歯周病のようなもの)を発症することがあるため、虫歯・歯周病がある場合のインプラントはおすすめできません。

対処法 | 虫歯・歯周病治療が完了してからインプラントを行う

虫歯や歯周病の場合、まずは虫歯や歯周病治療を先に行えば、インプラント治療が受けられるケースがほとんどです。そのため、口腔内の衛生環境を確保した後に、インプラント治療を行うのが一般的。

ただ、歯周病は顎の骨を溶かしてしまうため、顎の骨の量が薄く、少なくなっている場合は、前述した骨造成などの治療が必要になる場合があります。

理由③ | 持病がある・健康状態に問題がある

インプラントの手術をする際に健康状態がよくないと手術ができない場合があります。たとえば高血圧や心疾患などの循環器系疾患、呼吸器系疾患、糖尿病や骨粗鬆症などをお持ちの場合です。

これらに該当する場合、インプラントの手術が失敗に終わる可能性が高くなるだけでなく、感染により全身に影響を及ぼし、重篤な症状を引き起こす可能性もあります。

このように持病や健康状態によって、インプラント治療ができないと判断されるケースも存在します。

対処法 | かかりつけ医と相談のうえ治療の判断orインプラント以外の治療法

特に全身疾患がある場合、歯科医師の独断でインプラント治療の可否を決めるとなれば非常に大きなリスクが伴います。そのため、かかりつけ医と連携した治療が必要です。

かかりつけ医の指導のもと、インプラント治療が可能であると判断された場合であれば、休薬またはコントロールできる薬を飲むなど、最適な方法を選択してインプラントを行うこともできます。

理由④ | 年齢が若い(20歳前後)

患者様の年齢が若すぎる場合、インプラント治療は行わない方が良いと判断することがあります。未成年の場合、顎の骨が未発達の可能性が高いからです。

一度埋入したインプラントは、顎の成長や歯列の変化とともに動くことはなく、矯正などで位置を動かすこともできません。

そのため、これから顎の成長や歯列が動く可能性のある未成年の患者様にインプラントを埋入するのは将来的なリスクが高いと言えるのです。

関連記事:インプラントは何歳から何歳まで?年齢制限や高齢者における問題・リスク

対処法 | 顎の骨が十分成長するまで待つ

年齢が若い場合には、顎の骨が十分に成長するまで別の方法で治療を行うのが一般的です。

例えば、一旦入れ歯で治療を行い、顎の成長が終わった後にインプラントを入れるなどの対応が考えられます。

理由⑤ | 妊娠中の方

妊娠中のインプラント治療は、母子の安全性を考慮して断られるケースが多いでしょう。

インプラント治療では手術や投薬が必要になるため、体の負担を考えると妊娠中は避けたほうが安心です。

関連記事:母子双方の安全のために知っておきたい妊娠中のインプラント治療(手術)のリスク

対処法 | 出産後のインプラント治療推奨

妊娠中は入れ歯などを使用して、一時的に歯がない部分を補います。

産後または授乳期間終了後、体調が落ち着いた頃にインプラント治療を開始することが望ましいでしょう。

理由⑥ | 歯並びが悪い・歯列矯正を検討中の方

歯並びが悪い場合は、インプラント体や上部構造を適切な位置に入れることができず、インプラントができない場合があります。

また物理的にインプラントの埋入が可能であっても、歯並びの問題でかみ合わせが悪くなる場合、インプラント埋入後の予後が悪くなることが予想できます。

また、歯列矯正では一度入れたインプラントの位置を変えることができません。そのため、インプラント治療が後回しにされるケースがあるのです。

対処法 | 歯列矯正後にインプラント治療を行う

歯並びが原因でインプラントの埋入を行えない場合や歯列矯正を検討している場合はまず、歯列矯正を事前に行いキレイな歯並びを作ってからインプラント埋入を行うのが一般的です。

ただし、インプラント治療そのものが自費治療で高額な上、歯列矯正まで行うとなると費用が高額になるため、よく検討する必要があるでしょう。

理由⑦ | 喫煙習慣がある

喫煙習慣がある方もインプラント治療が難しいと判断されるケースが多くあります。これは、喫煙によってインプラント治療の成功率が下がるからです。

喫煙によって血行が悪くなり、患部に届く血液が減って患部が十分に治癒しなければ、インプラント体と顎の骨がうまく結合しません。

さらに喫煙者の傾向として歯周病になりやすいという点が挙げられます。そのため、もしインプラントができたとしても治療後の歯周炎のリスクが非常に高いのです。

特にヘビースモーカーはインプラントができないと判断される場合が多いでしょう。

対処法 | 治療中は完全禁煙、治療後も禁煙を

インプラント治療を行いたい方は、最低でもインプラントの治療中は完全禁煙する必要があります。

またインプラント治療が完了し、患部の傷がキレイになった後も禁煙を続ける、もしくは可能な限り減煙するなどの対応が欠かせません。

理由⑧ | 難しいと断られた

歯科医師の経験や技術面などから難しいと断られるケースもあります。インプラント手術は高度な技術や知識、経験が必要です。特に顎の骨の中を通っている神経に近い場合は難易度が上がります。

例えば、下顎の場合には「下顎管」という太い血管と神経が通っています。万が一そこにインプラントが触れてしまうと神経が傷ついてしまい、顔面に麻痺が残る可能性があるのです。さらには、太い血管を傷つけて大量出血をする可能性もあります。

経験が少なく技術に不安がある場合や、万が一の場合の体制が不十分な場合は当院ではできないと判断されることもあるでしょう。

対処法 | セカンドオピニオン・インプラント治療の実績豊富な歯科医院を選ぶ

インプラントの治療可否については、歯科医師の技術次第で変わる可能性が高いと言えます。同じ症状でも、他院でインプラント治療ができる可能性も大いにあるのです。

そのためにも、セカンドオピニオンはとても重要。さまざまな考えを持つ歯科医師と話をすることで、たとえインプラント治療が難しいとしても、他に納得のいく治療方法が見つかる場合もあるかもしれません。

現在の歯科医院でインプラントができなくても、技術の高い歯科医院を探すことで治療が受けられるケースもよくあります。ぜひ他の歯科医院に相談してみてください。

骨が少なくインプラント治療ができない場合の治療法

ここまで、インプラントができない原因・理由を説明してきましたが、中でも顎骨の問題が原因でインプラントができないと判断されるケースが多いようです。

そこで以下では、骨の問題が原因でインプラントができないという方に向けて、骨を増やすための治療法をご紹介していきます。

サイナスリフト

サイナスリフトとは、骨の厚みを作るため「上顎洞(サイナス)」に骨補充材を入れて骨を生成する治療法です。上顎洞底部から歯槽骨の先端までの骨の量が極端に少ない5mm以下の場合に用います。

広範囲に骨を作る必要がある場合や複数本のインプラントを埋入したい場合などに優れた治療法で、インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚みを確保することができます。

ただし、多くの骨を作る必要があるため、サイナスリフトの治療期間だけで半年程度かかるのが一般的。加えて、ソケットリフトと比べて難易度が高く対応できる歯科医院が限られることもあります。

ソケットリフト

ソケットリフトは、サイナスリフトと同じように上顎の骨の厚みや量が少ない時に行う手術です。骨にある程度の厚みがあるもののインプラントの埋入には不足している場合などに最適で、人工骨を入れて空いているスペースを埋めていきます。

ソケットリフトでは骨を増やしながらインプラントも同時に埋入するため、全体の治療期間が短くなりやすいことや、治療範囲が狭いためサイナスリフトよりも身体的な負担が少ないことが特徴です。

GBR法(骨誘導再生法)

GBR法(骨誘導再生法)は、インプラントを固定する顎の骨の高さや幅が不足している場合う治療法です。

骨を増やす必要があるところをメンブレンという特殊な膜で覆い、それでできたスペースの中に骨補填材を入れて顎の骨を再生します。

人工骨などを入れて再生するまで待つ必要はあるものの、骨が新しく生まれてくるため、歯肉もキレイな形になることがメリットです。

ソケットプリザベーション

ソケットプリザベーションは、歯を抜いた部位に人工骨や骨補填材などを入れて骨の吸収を抑える治療法です。

抜歯後に生じる穴凹を人口の骨によって埋め、抜いた穴をキレイに治せるほか、歯茎の凹みもなくすことができます。

抜歯と同時にソケットプリザベーションを行うことで歯槽骨の吸収を最小限に抑えることで、難易度の高い骨造成をしなくて済むのです。

ブロック骨移植

ブロック骨移植(自家骨移植)は、大幅に骨の量が少ない場合に行われます。インプラントを入れるところ以外の部位から、骨が不足している部分へ骨を移植する方法です。

移植後、約4~6ヶ月間ほど待てば、通常通りインプラントの埋入ができます。骨を移植した元の部位は、時間が経てば骨が再生してもとに戻ります。

スプリットクレスト

スプリットクレストは、骨の高さには問題ないものの、骨の幅が足りない時に行う治療法です。

痩せて細くなった骨に特殊な器具で切り込みを入れ、骨を割らないように十分配慮しながら少しずつインプラントが入る大きさまで骨を広げていきます。最終的にインプラントと骨の間に人工骨を入れることで補うというものです。

この手術の場合、骨の幅が薄くてもインプラント体を入れることができるうえ、外科処置の範囲が狭いことから身体への負担が少ないことがメリットと言えます。ただし、その分高度な技術力が求められます。

リッジエキスパンジョン

リッジエキスパンジョンは、骨の厚みや高さは十分足りていているものの、幅のみが不足している場合に行う治療で、狭い歯槽骨の骨幅を拡大してインプラントを可能にするというものです。

インプラントを埋め込む不足している部分の骨の幅を、ボーンスプレダーという器具を使って広げ、インプラントを埋入する穴を手指により段階的に押し広げていきます。

骨造成では骨移植をして骨を増やす必要がありましたが、リッジエキスパンションは患者様ご自身の骨を最大限利用するため、侵襲(身体への負担)が少なく治癒期間も短縮できるというメリットがあるのです。

失った歯を補うインプラント以外の治療法

何らかの理由でインプラント治療がどうしてもできない場合は、インプラント以外の方法での治療を検討する必要があります。

歯の欠損に対応できる治療法としては、以下の3つの治療の名前が挙がることが多いでしょう。

ブリッジ

ブリッジは欠損した歯の両隣の歯を支えにして、橋をかけるように欠損した歯を補うような治療法です。例えば1本の歯を欠損した場合、支えにする両隣の歯(支台歯)を削って、3本の連結した被せ物を装着します。

外見的に目立ちにくいものの、噛み合わせの負荷が両隣の支台歯にかかることや、インプラントに比べて咀嚼や耐久性、審美性で劣る点がデメリットです。

入れ歯

入れ歯は、総入れ歯と部分入れ歯の2種類に分けられます。

総入れ歯の場合は歯茎の色をした土台に義歯が設置されたものを口内に貼り付けるようにして装着する仕組みです。保険診療で行えるため治療費が安く、通院期間も短いのですが、機能性や審美性に難ありです。

一方、部分入れ歯の場合は、失われた歯の両隣の歯に金属製のバネを引っ掛けて入れ歯を固定し、欠損した歯を補う治療法です。

バネを引っ掛ける歯に負荷がかかってしまう点や、汚れが溜まって口腔内の衛生環境が悪くなりやすい懸念があります。また金具が見えたりするなど審美性もインプラントやブリッジに劣るでしょう。

差し歯

差し歯は、残っている自分の歯を土台として人工歯と繋げるという処置です。インプラントと混同されることが多い差し歯ですが、インプラントとは根本的に適応症例が異なります。

差し歯は“歯根が残っている状態”の時に、その上に被せ物をすることで、目に見える部分の歯を補うことで噛む機能を回復させます。

対してインプラントは、“歯根がない・残せない時”に行う治療で、インプラント体を代わりに埋入して噛む機能を回復させるのです。

このように「歯根が残っているかどうか」が大きなポイントになりますが、歯根がどのくらい残っているかによって、差し歯にするのかインプラントにするのかの判断が変わってきます。

インプラントのために抜歯をする必要はあるのか、歯根を残したままできる治療はないのかといった点を、セカンドオピニオンなどで確認することをおすすめします。

他院でインプラントができないと言われたときには「高田歯科クリニック」へご相談!

インプラントができないと言われるケースはさまざまありますが、そのほとんどの場合で適切な対処を行えばインプラント治療ができるようになるものです。
当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、充実した設備と確かな技術、年間症例数850件以上の確かな実績をもとに、様々なインプラント治療に対応いたします。
他の歯科医院でインプラント治療を断られたという方、インプラント治療を諦めている方は、ぜひ一度高田歯科クリニックへご相談ください!

カテゴリー:インプラント&歯科ブログ   投稿日:2024年7月3日