インプラントで後悔しかない?その理由や後悔しない歯科医院の選び方もご紹介
インプラントは顎の骨と完全に結合させることから、安定性も高く自分の歯のように噛めるようになるなど、メリットが大きい治療法です。ただその分、一度入れてしまうと簡単に撤去することはできません。
そのため患者様にとってインプラント治療を行うというのはとても大きな決断になります。
「インプラントに興味はあるけど、治療して後悔しないかな…」
「治療後に後悔しないように、リスクも理解したうえで判断したい」
など、インプラント治療に関してさまざまな思いを抱えている方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、インプラント治療で後悔してしまうかもしれない主な理由や、後悔しないための歯科医院選びのポイントをご紹介していきます。
-インプラントで後悔した理由-
- 下顎の神経損傷で痺れや麻痺が生じた
- 上顎洞にインプラントが入り込んだ
- インプラントが出っ歯に見える
- インプラントの被せ物(人工歯)が外れやすい、もしくは破損した
- インプラント周囲炎になった(リスクがある)
- インプラント部分に痛みが出る
- インプラントが矯正治療の妨げになった
- トラブルに対応してもらえる歯科医院が見つからない
- 術後も定期的にメンテナンスを受けなければならない
- 保険が適用されず費用が高かった
- 保証の関係で転院ができない
-インプラント治療で後悔しないための歯科医院の選び方-
- 経験・実績豊富な歯科医師が在籍している
- 歯科医院の設備の充実度
- 治療計画の説明や対応がしっかりしているか
- 料金だけで選ばない
- 不安な時はセカンドオピニオンを
ぜひ最後までご覧ください。
インプラントをして後悔する人もいる?
歯を失った場合の治療法としては、インプラント、入れ歯、ブリッジが挙げられます。この中でもインプラントは、唯一顎の骨と結合することでしっかりと固定する治療法です。
審美面に優れているほか、ブリッジや入れ歯のように残っている健康な歯を削ったり、負担をかけたりせず、しっかりと噛むことができます。そのため、これまでと変わらず不便なく食事を楽しむことができます。
他にも様々なメリットがあるインプラント治療ですが、同時にデメリットやリスクがあることも理解しておくことが重要です。よく知らないまま治療を受けることで、将来的にインプラント治療を選んだことを後悔してしまう患者様もいらっしゃるでしょう。
インプラントで後悔した理由
インプラント治療で後悔したという方から挙がる主な声・理由をみていきます。
下顎の神経損傷で痺れや麻痺が生じた
下顎の奥歯にインプラントを埋入する際、万が一下歯槽神経を傷つけてしまうと、下唇や下顎の皮膚を触っても何も感じないなど感覚が鈍くなる症状や痺れが現れることがあります。
このような事態を避けるため、レントゲンやCTによって下歯槽神経の位置を正確に把握し、慎重にインプラントを埋入する必要がありますが、何より歯科医師の技術が問われます。
上顎洞にインプラントが入り込んだ
上顎骨の上方には、上顎洞という空洞があります。特に上顎の奥歯には、すぐ上にこの空洞があり、もともと骨が薄くなっている状態です。
もし、インプラント埋入の際に、インプラント体が上顎洞の骨や粘膜を突き抜けて上顎洞に入り込んでしまうと、蓄膿症や副鼻腔炎のような炎症「上顎洞炎」を起こしてしまう可能性があります。
関連記事:上顎(上の歯)のインプラント治療が難しい理由!「上顎洞炎」の危険性も?
インプラントが出っ歯に見える
インプラントは適切な治療を行うことで天然歯と同じような綺麗な見た目を手に入れることができます。しかし、インプラントを埋入する位置や角度によっては、思うような見た目にならず後悔するケースがあるのも事実です。
特に前歯は、埋入の方向や角度によって、被せ物を付けた際に出っ歯のように見えてしまうこともあります。また、被せ物の厚みや形によって歯並びが悪く見えてしまうこともあり、見た目を気にする方にとっては大きな後悔につながるかもしれません。
インプラントの被せ物(人工歯)が外れやすい、もしくは破損した
インプラントは適切なケア、メンテナンスによって10年、またはそれ以上の長い年数使えるものですが、稀にすぐ不具合が起きて使えなくなるケースもあります。
インプラントはネジで固定するタイプが多く、被せ物が折れたり抜けたりすることも。その場合、再度被せ物を付け直すことで元通りになりますが、噛む力が強い場合はまたすぐに取れてしまったり、取り付けるネジが歪んで破損してしまったりすることもあるのです。
特に噛む力が非常に強い方は他の方に比べて、破損や脱落(抜け落ちる)などのリスクが上がると言われています。
実際にこのようなトラブルに直面すると、食事を含む日常の中でインプラント部分を常に気にして生活しなければならなくなり、後悔するケースがあるのです。
インプラント周囲炎になった(リスクがある)
インプラント治療を行った後に後悔する原因として多いのが「インプラント周囲炎」です。インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病のようなもの。このインプラント周囲炎を発症すると、歯茎から出血する、膿が出るなどのトラブルが起こります。
さらに症状が進行すると、インプラントを支えている骨が溶けてしまい、インプラントがグラグラする、最終的にインプラントが脱落する可能性があるのです。
ただし、インプラント周囲炎のリスクは、日々のケアや定期的なメンテナンスを受けることで予防することができます。
インプラント部分に痛みが出る
基本的にインプラントの治療後の痛みは、大きく分けると「手術後の痛み」と「インプラント治療終了後の痛み」に分けられます。
ほとんどの場合がインプラントの手術に伴う痛みであり、インプラント治療終了後に痛みを訴えられる方はごくわずかです。
しかし、実際に痛みがあって強く噛めないなど、治療後の痛みに悩まされている方にとっては、「インプラントを入れたらしっかりと噛める快適な生活を過ごせると思ったのに…」と後悔される方もいらっしゃるでしょう。
痛みの原因としては、インプラント部分の噛み合わせの悪さやインプラントの素材、前述したインプラント周囲炎発症などが挙げられます。
インプラントが矯正治療の妨げになった
インプラントは一度埋入すると、撤去しない限り位置を変えることはできません。歯並びを整える矯正治療でもインプラントに関しては動かすことできないのです。
むしろ、インプラント治療後に矯正治療をしたいとなった場合、インプラントが邪魔になってしまい、結果、インプラントのやり直しが必要になるケースがあるでしょう。
この場合、インプラント治療を矯正前に受けたことを後悔される方がいらっしゃいます。将来的に矯正治療を行う予定がある方は、インプラント治療を行うタイミングについて慎重に検討しましょう。
トラブルに対応してもらえる歯科医院が見つからない
もし、インプラント治療を受けた歯科医院が閉院してしまったり、引っ越しや何らかの理由で転院したりした場合、過去の治療の情報やインプラントのメーカー・製品情報などが分からないからといった理由で対応を断られてしまうことがあります。
メジャーなインプラントメーカーであれば取り扱う歯科医院も多く、対応してくれる歯科医院が見つかる可能性も高いでしょう。
しかし、費用を抑えるためにマイナーなメーカーのインプラントを使用している場合などでは、対応してくれる歯科医院が少ない傾向にあります。
何かしらのトラブルが起きた時に対応してもらえる歯科医院が見つからなければ、不安や後悔が出てくるかもしれません。
術後も定期的にメンテナンスを受けなければならない
インプラント手術後、インプラントを長持ちさせるためには定期的に歯科医院でメンテナンスやクリーニングを受ける必要があります。それが負担に感じる方もいるようです。
ただ、もしメンテナンスを怠るとインプラントに汚れが蓄積し、細菌が繁殖。その結果、インプラント周囲炎を起こすリスクが高まります。
インプラント周囲炎は通常の歯周炎と比較しても進行が早いのが特徴です。その点、定期的なメンテナンスを受けていれば、初期段階で異変に気付き、適切な対処を行うことが可能になります。
インプラント治療を決断する際は、今後もインプラントと長く付き合っていくための手間がかかることは覚えておかなければなりません。
保険が適用されず費用が高かった
インプラントは入れ歯やブリッジと違って自費診療で保険が適用されないため、治療費が高くなりがちです。歯科医院が独自に費用を決定するため、歯科医院によってもばらつきがあります。
インプラント治療の見積もりの項目が複数あり、総額がいくらかよく分からないまま申し込みをしたところ思いもよらない額だった、はじめに計画した費用から追加の費用がかさみ大幅な予算オーバーをしてしまった、といったケースもあるかもしれません。
そのほか、インプラント治療後のメンテナンス費用や、被せ物が壊れてしまった時の再作成費用など思わぬ追加費用がかかることもあります。
保証の関係で転院ができない
インプラント治療には「保証制度」を設定している歯科医院も多くあります。保証内容は歯科医院によって異なりますが、一般的に、治療後のインプラントに問題が起きたときの治療費用などを保証会社や歯科医院が負担するというものです。
保証を受けるためにはいくつかの条件があることも多く、中には、治療を受けた歯科医院以外での再治療や、保証会社に登録されていない歯科医院の場合は、保証対象外となることもあります。
さらに、適用条件のひとつとして「治療を受けた歯科医院にメンテナンスで年に◯回通院すること」という条件を設けている場合がほとんどです。
転勤などでどうしようもない場合もあるかとは思いますが、保証の条件に縛られてしまうと少なからず、「もっときちんと条件を確認しておけばよかった…」「インプラントを受ける歯科医院選びに慎重になるべきだった」といった後悔が生まれる可能性はあるでしょう。
インプラントで後悔しないために治療前に確認すること・やるべきこと
では、インプラント治療で後悔しないために「治療前」に何をしておくとよいのでしょうか。
ここからは、インプラント治療前に確認すること・やるべきことをご紹介します。
矯正する予定がないか確認
矯正治療は理想的な位置に歯を動かし、素敵な見た目や適切な噛み合わせを実現する治療法です。歯の移動を行う治療ですが、顎の骨に埋めて固定されたインプラントは、前述した通り矯正によって動かすことはできません。
つまり、インプラントした後に矯正治療を行いたくてもできないことの方が多いというわけです。インプラント治療を行うときは、今後矯正治療しないだろうかと自分と向き合い、慎重に判断しましょう。
もし矯正をしたい場合は、矯正治療のあとにインプラント治療を行うのが理想です。
関連記事:インプラントで歯並びが悪いのは変わるのか?矯正治療(歯列矯正)との違いも解説
使用するインプラントのメーカー
使用するインプラントのメーカーも確認しましょう。インプラント治療は入れたら終わりではなく、むしろ入れてから始まります。長持ちさせるためには、メンテナンスも非常に重要です。
インプラントには数多くのメーカーがありますが、信頼性が低いメーカーの場合、途中で倒産してしまうリスクもあります。その場合、将来的に対応ができなくなってしまうため、信頼できるメーカーを選ぶと安心です。
インプラント治療前に検査をきちんと受ける
インプラント治療前にCT撮影をしない歯科医院は年々減っていますが、安全な治療計画を立てるために、検査はきちんと受けましょう。
必要な検査を行わない歯科医院でのインプラント手術は危険を伴います。
信頼できる歯科医院を選ぶ
インプラント治療は歯科医師の技量によって成功率も大きく変わります。インプラント治療は高額かつ長期にわたり患者様の健康を左右するものです。
治療の不安や疑問を相談し、安心して治療を受けられる信頼できる歯科医院を選びましょう。
インプラント治療で後悔しないための歯科医院の選び方
インプラントは非常に難易度の高い治療です。外科手術で多少なりともリスクを伴うため、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。
ここでは、インプラント治療で後悔しないための歯科医院の選び方をご紹介します。
経験・実績豊富な歯科医師が在籍している
インプラントは外科処置を伴う治療のため、外科的な知見が必要です。また、人工歯がしっかりと機能するためには、被せ物の治療や噛み合わせ治療の知識・技術も不可欠。
さらに、インプラントを埋入する際、もし骨が足りない場合には骨造成などの骨を再生させる治療が必要です。そのほか、歯茎の厚みが足りない場合は歯肉の移植の治療をするなど、状態に応じた適切な治療が必要となります。より自然な見た目になるように、審美治療の知見も必要です。
こういったさまざまな領域の知識や経験、技術を持つ歯科医師はそう多くありません。信頼できる歯科医師かどうか見極めるためにも、「症例数」は必ず確認しましょう。
インプラント治療は、症例数が多く、経験・実績が豊富な歯科医師が在籍する歯科医院で行うことをおすすめします!
歯科医院の設備の充実度
インプラントを日常的に行っているインプラント治療に長けた歯科医院では、本格的なオペ室や機械、無影灯、器具などが常に整備されています。
そのほか、レントゲンや歯科用CTなどの設備も充実している場合が多いでしょう。ホームページや直接聞くなどして、歯科医院の設備の充実度を確認してみてください。
治療計画の説明や対応がしっかりしているか
分からないことや不安に感じることをその都度、丁寧に説明して安心させてくれる歯科医師のもとであればより安心して治療を行えます。
治療計画の説明や、普段の対応などにも着目してみましょう。
料金だけで選ばない
格安費用でインプラント治療を行う歯科医院も少なくありません。しかし、安い治療費には理由があるはずです。
例えば、被せ物や麻酔の費用などが含まれない金額を提示し、安く見せているだけなのかもしれません。
費用を抑えるために低品質のマイナーなインプラントメーカーのものを使用していたり、日本では認可されていないインプラントを使用していたり、インプラント治療の経験が浅い歯科医師が施術をするためなど、何かしら理由があることがほとんどでしょう。
全ての安いインプラントが悪いわけではありませんが、安いインプラントを選ぶ時はより一層注意して選ぶことをおすすめします。
不安な時はセカンドオピニオンを
歯科医師の説明に疑問を持ったり、ほかの意見も聞いてみたいと思ったりした場合は、セカンドオピニオンもひとつの手です。
不安があるまま治療を進めても、後戻りできなくなってしまいます。より自分自身が納得できる、安心して治療に臨める歯科医院で治療を受けましょう。
後悔しないようインプラント治療後に気を付けること
後悔しないためにインプラント治療後に気を付けるべきことをご紹介します。
定期的なメンテナンスを受ける
インプラント治療後にかかりやすいインプラント周囲炎などを予防するためにも、歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。
歯のプロのクリーニングにより口腔内を清潔に保ち、インプラント部位を含む他の歯も健康に保つことができます。
禁煙など歯科医師からの指示があれば従う
喫煙はインプラント治療の大敵。基本的には禁煙するよう指導されます。歯科医師からの指示を守らずに喫煙を続けてしまうと、インプラントが骨とうまく結合しなかったり、治療後にすぐにトラブルが起きてしまったりするリスクが高いでしょう。
そのほか、食事や生活習慣、服薬、歯磨きなども歯科医師の指示に従いましょう。
後悔するかどうかは自分次第?インプラントはメリット多数!
ここまででインプラント治療にネガティブな印象を抱いた方も多いかもしれませんが、インプラントには多数のメリットがあります。具体的なメリットは次の通りです。
天然歯のような見た目としっかり噛める機能性
インプラントの人工歯は、天然歯と見分けがつかないくらい審美的に美しく作ることができます。
また、インプラント体は顎骨に結合することでしっかりと固定されるため、ブリッジや入れ歯では難しい「力を入れて噛む」ことができるようになり、天然の歯とほとんど変わらない状態で過ごすことができます。
耐久性が高く寿命が長い
日常のケアを正しく行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで、インプラントは長期にわたって機能します。詰め物や被せ物といった補綴に比べると寿命が長いことはインプラントならではのメリットです。
入れ歯は3~4年、ブリッジは7~8年程度保てるのが一般的ですが、インプラントは10~15年以上使い続けられるケースがほとんど。ケースによっては、40年以上使えた例もあります。
定期的なメンテナンスを必要とするものの、長期間にわたり使える可能性がある点は大きな魅力です。
他の健康な歯を削る必要がない
他の健康な歯に影響を与えにくい点もインプラント治療のメリットのひとつです。
インプラントは骨に埋まって自立しているため、周囲の歯を削ったり隣の歯に支えてもらったりする必要がありません。他の健康な歯を、健康なまま保つことができます。
食事や会話が不自由なく行える
インプラントで歯を補った結果、不便さがなく、噛む力が向上します。何でも食べられるようになり、食事が快適かつ楽しいものとなるでしょう。
また、空気の漏れが起こって特定の音の発音が難しい入れ歯に比べると、インプラントであれば、会話も違和感なく通常通り可能です。
インプラント治療は信頼できる歯科医院を見つけて、後悔しない選択を!
インプラント治療は外科手術を伴うこともあり、不安が大きくなりがちです。そのため、「後悔するかもしれない…」と治療に踏み出すことができない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、その不安も信頼できる歯科医師を見つけることで解決することができます。インプラント治療で後悔しないためには、信頼できる歯科医院選びが何より重要です。本記事でご紹介した歯科医院選びのポイントを参考に、信頼できる歯科医院を探してみてくださいね。
インプラントの年間症例数850本以上を誇る当院「高田歯科クリニック(杉並区荻窪)」では、インプラント治療に長けた歯科医師が患者様に合わせた治療プランをご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
カテゴリー:インプラント&歯科ブログ 投稿日:2024年6月12日